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発射機構
このページはCoRE2025に出場した機体の発射機構について紹介する。
開発、設計の要素
機体を製作するにあたって重要となるチームの機体コンセプトは 「高速回転しながらディスクを打つ攻守最強の機体」 であることから発射機構には以下の要素が必要となった。
・足回りが回転するため回転範囲以内に機構を収める
・どこでも狙えるように弾道を変えられる
・チームメンバーで製作できる設計(学生の頃と異なり、加工方法や予算が限られているため)
更に学生ロボコン出身のチームとして ・確実に動き、再現性の高い機体 というコンセプトもあった。
設計、製作
要素を形にしていき以下の設計を行った。
角パイプと板金、ガラス繊維板は外注しており、外注できる範囲で設計を行った。 どうしても大きくなり、外注できなかった角パイプは2分割してガラス繊維板でつなぎ合わせて固定。
3Dプリンターパーツは最大造形サイズが256×256×256であるため最大造形サイズ以下になるように設計。 材質はABSを使用。
もともと自分の設計思想として部品点数が少ないほど良いと考えているため、できる限り少なく、シンプルな機構にした。(できているかは不明…)
部品点数が少ない→加工、外注するワークが少ない シンプルな機構→確実に動く という単純な考えもある(※部品点数が少なければ良いっていうわけではないし、シンプルだから動く確証はない)
発射機構のCAD画像
この設計を大まかに分けると以下のようになる。
上図の①~③について説明していく。 ④はそのままの意味で発射機構に必要な基板やPC、電源が積まれている。
マガジン
概要
ディスクが装填しやすく真っすぐ落ちて詰まらないことを目標に設計。 約27枚のディスクを装填可能でディスクがなくなったら陣地まで戻って補充する形にした。 手を入れて補充しやすくするために左側を開け、「Ↄ」のような形にしている。 (機械強度、構造的にはここはつないでおいた方が良い) 本番に使用されなかったが俯瞰カメラも取り付けていた。(カメラについてはこちら)
射出
概要
部品点数が少なく、ディスクが十分な威力を持って発射できる機構を目標とし設計 過去の大会動画から和歌山高専、阿南高専の発射機構を見つけ、参考にしながら製作。
マガジンから落ちてきたディスクをサーボモータ×2でローラー部分まで押し出し、そのまま打ち出すシンプルな機構。 集弾率、威力はかなり良いが連射性能は他の出場機体と比べると低いと感じる。 幣チームは回転している足回りの隙間から打つことを想定していたため、 連射性能はあまり重要視しておらずこの機構で十分なスペックであった。
射出の流れを下図に示す。
使用アクチュエータ
アクチュエータは回路班が選定したため詳しくは回路班の記事へ。 商品名だけ記載する。 サーボモータ:Feetech STS20 ローラーに使用されているブラシレスモータ:BE4108
ディスク押し出し
サーボモータにひし形の3Dプリンターパーツを取り付けてディスクの押し出しを行っている。 ディスクを真っすぐ押し出した方が発射に安定性、再現性がでると思ったため、 サーボモータを2個使用してディスクの真ん中を押し出している。 現状の設計だとジャムる場合があるため設計変更が必要。
ローラーについて
ローラーは板金、3Dプリンター製ローラー、モータで構成されている。 板金はディスクを押し出す際のトルクがモータに直接加わらないように取り付けてある。
土台に使用してる板金について
この板金は 414×279×2 [mm] のかなり大きい一枚の2mm板金である。 ポリカなどのプラスチック素材を使用する予定だったが以下の2点より板金を使用することになった。
①重量 SOLIDWORKSの質量特性より2mm板金は442.08 [g] に対してポリカ5mmは442.08 [g] であった。 目を疑ったがSOLIDWORKSを信じることに。
②金額、発注 このチームは基本的に加工できないため板金などは外注するのだがポリカ5mmより2mm板金のほうが安かった。 また、この土台以外にポリカで注文する品物がなく、板金は他にも色々あったため板金のほうがメリットがあった。
以上の理由から板金で製作することになった。 実際に届いた板金を見たら想像よりでかくて笑ってしまった。この選定で間違ってなかったと信じたい。
実物の板金の写真(比較対象がなくて分かりにくいがちゃんと大きい)
射角
概要
こちらも射出と同様に部品点数を少ないことと足回りの回転に干渉しないように 機構サイズを小さくすることを目標として設計。 チームメンバーが射出の最後にエアコンの羽みたいなものに当てたらディスクの軌道変わるんじゃねという意見から製作。 (↑このような機構が過去大会にあったらしい…?)
サーボモータで上下の羽を動かし射出されたディスクに当てて軌道を変える機構。 今大会では使われなかったためスペックは不明。実験では上に傾けた羽に当ててディスクが上方向に飛ぶことは確認できた。 現状の設計だと詰まる場合もあるため今後改良が必要。
軸が片持ちだと歪んで傾き、ローラーやディスクと意図しない干渉が起きそうだったため 両持ちにするようなパーツを取り付けている。
使用アクチュエータ
アクチュエータは射出と同様に回路班が選定したため詳しくは回路班の記事へ。 射出と同じサーボモータを使用している。 サーボモータ:Feetech STS20
終わりに(製作者コメント)
案出しから設計まで1か月で行ったためかなり粗削りな設計になった。 しかし、大会まで壊れることはなく致命的な設計ミスもなかったため、 チームコンセプトに必要な要素は最低限盛り込めたと思う。