やねうら王のインストール手順 - mizar/YaneuraOu GitHub Wiki

やねうら王のインストール手順

やねうら王は、(詰将棋に特化したエンジンとかではなく)通常探索エンジンです。通常の将棋対局をして遊べます。

よく「NNUE系」などと呼ばれるのはこれです。GPU(高価なグラフィックカード)がなくても遊べます。

💡 やねうら王は通常対局時にGPUを使いません。

導入手順の図解つき解説

もし、ここの説明がわからない場合は、以下のサイトの導入手順が参考になるはずです。

💡 記事のなかで導入しているのは、最新版のやねうら王ではありませんが、同様の手順で最新版の導入ができます。

ダウンロードの方法

やねうら王のGitHub の Releasesのところからダウンロードできるようになっています。

どのファイルを使えばいいのですか?

  • Windowsで遊ぶなら、ファイル名にWindowsと書いてあるものを選ぶ。
  • 32bit版のWindows用の実行ファイルも用意していますが、Windows 11以降、32bit版のWindowsはなくなってしまったため、通常版(64bit版)を選べば良い。
    • 💡 ファイル名にnoSSEと書かれたもの以外は通常版です。
  • 評価関数ファイルを別途用意するわけではないのなら、Suisho5(水匠5)と書いてあるファイルを選ぶ。
    • 💡 水匠5は将棋ソフトの大会での優勝実績もあるとても優れた評価関数パラメーターなので、まずはこれを試してみると良いでしょう。
  • 通常対局・検討で用いるならトーナメント版を選ぶ。
  • 7-Zipのファイルが解凍できるなら拡張子が .7z のファイルを選ぶ(その方がファイルサイズが小さいので)
    • 7-Zipのファイルが解凍できるかわからない人は、.zipのファイルを選んでおけば良いでしょう。

例) やねうら王 , 64bit版 Windows用 , 水匠5入り , トーナメント版 , Zip形式のファイル。

Suisho5-YaneuraOu-v7.5.0-windows.zip

このファイルを解凍すると、ファイル名に、ZEN2 , AVX2 , SSE42 とついている実行ファイルがあるはずです。ご自分のPCのCPUに合わせたものを使いましょう。

将棋の思考エンジン用のGUI

上の手順でダウンロードして解凍した実行ファイルを、お好きなフォルダに移動させたあと、それを将棋の思考エンジン用のGUIの思考エンジンとして選んであげれば使えます。

代表的なGUIには、以下のものがあります。

GUI名 ダウンロード先 備考
将棋所 http://shogidokoro.starfree.jp/ floodgateでの通信対局機能や、思考エンジンとのやりとりを表示させる機能がある。
ShogiGUI http://shogigui.siganus.com/ 検討機能などが充実している。

エンジン設定

をご覧ください。

評価関数ファイルのダウンロード先

多くの開発者の方が評価関数ファイルを公開されています。

2022年現在、将棋ソフトの大会には以下の2つの大きな大会がありますが、その参加チームの開発者のツイッターやブログを見ていると公開されていることがあります。

現在主流の評価関数は、NNUE型(halfKP256)ですが、それ以外の評価関数ファイルも公開されている場合があり、その評価関数ファイルに応じた探索部を用意してやる必要があります。

評価関数の種類とその実行ファイル名との対応関係については以下の説明をご覧ください。

評価関数の種類とその実行ファイル名

評価関数は主に以下の3種類があり、それぞれに対応した思考エンジンの実行ファイルと評価関数のファイルが必要です。

  1. KPPT型 (ファイル名 : YaneuraOu_KPPT_XXX.exe)
  2. KPP_KKPT型 (ファイル名 : YaneuraOu_KPP_KKPT_XXX.exe)
  3. NNUE型 (ファイル名 : YaneuraOu_NNUE_XXX.exe)

🍙 例) 評価関数がKPPT型の場合、評価関数ファイルとして以下の3つのファイルが必要になり、この3つすべてをevalフォルダに配置します。この時に配置するフォルダは思考エンジンオプションのEvalDirで変更できます。

	eval/KK_synthesized.bin        : 3駒関係の評価関数で用いるファイル(KK)
	eval/KKP_synthesized.bin       : 3駒関係の評価関数で用いるファイル(KKP)
	eval/KPP_synthesized.bin       : 3駒関係の評価関数で用いるファイル(KPP)
  1. 駒得型 (ファイル名 : YaneuraOu_MaterialLv1_XXX.exe)

→ これは駒得だけを評価する思考エンジンなので、評価関数のファイルは不要です。

💡 MaterialLv2~は、以下の連載記事で作ったもので、単なる駒得の評価関数よりは強くなりますが、実行ファイルはたくさんあるので毎回は配布はしていません。

【連載】評価関数を作ってみよう!その1 : http://yaneuraou.yaneu.com/2020/11/17/make-evaluate-function/

  1. tanuki-詰将棋エンジン(tanuki_MATE_XXX.exe)

💡 これは、詰将棋を解くの専用の思考エンジンなので評価関数のファイルは不要です。

  • XXXのところには、avx2やsse42のようにCPUの種別が入ります。
  • ファイル名の途中にlearnとついているものは、評価関数の学習のために用いるもので、通常対局用ではありません。

評価関数の種類に関して詳しくは以下の説明もご覧ください。

やねうら王プロジェクトで公開している評価関数ファイル

  • 現状、水匠5をやねうら王の実行ファイルに埋め込んだ形のものを公開しています。

  • 2017年ごろのデータになりますが、過去のサブプロジェクトでKPP_KKPT型の評価関数ファイルを公開しています。

定跡ファイルのダウンロード先

評価関数ファイル同様、多くの開発者の方がやねうら王で使える定跡ファイルを公開されています。

👉 評価関数ファイルのダウンロード先 から探してみてください。

やねうら王プロジェクトで公開している定跡ファイル

やねうら王プロジェクトでは、以下の定跡を公開しています。

💡 2017年以前に作ったものなのでいまとなっては実用性は今ひとつかも知れません。

ファイル名 内容
standard_book.zip やねうら王 標準定跡
yaneura_book1_V101.zip やねうら大定跡
yaneura_book3.zip 真やねうら王 定跡

ダウンロード先 : https://github.com/yaneurao/YaneuraOu/releases/tag/v4.73_book

🖋 使い方

zipファイルを解凍すると、standard_book.db のようなファイルがあるはずですから、それを思考エンジンの実行ファイルと同じフォルダに"book"というフォルダを作成して、そこに配置します。

そのあと、思考エンジンオプションのBookFileにて、"standard_book.db"を選択します。

定跡関係のエンジンオプションについて詳しくは以下の説明をご覧ください。

KPP_KKPT型の評価関数のダウンロード先

KPP_KKPT型は、2017年ごろにやねうら王が使っていた評価関数です。KPPT型に比べて半分程度の評価関数パラメーターとなるので軽量であることがその特徴です。

当時、やねうら王プロジェクトで公開していたファイルは以下のところからダウンロードできます。

  • [やねうら王 KPP_KKPT型用評価関数 - 過去のサブプロジェクト](過去のサブプロジェクト#やねうら王 KPP_KKPT型用評価関数)

あとは、有志の方が公開されています。(いました)

KPPT型の評価関数のダウンロード先

KPPT型評価関数は、2015年~2018年ごろに主流であった評価関数です。

🖋 現在はNNUE型が主流であるため、姿を消しましたが…。

やねうら王では、Apery(WCSC26),Apery(2016 = 浮かむ瀬)の評価関数ファイルもそのまま使えます。

これについては、AperyのGitHubからダウンロード出来ます。

第26回世界コンピュータ将棋選手権バージョン (for Windows 64bit)

をクリックしてダウンロードしたファイルを解凍して、

20160307/

のフォルダのなかに入っているものを、やねうら王の実行ファイル配下のevalフォルダにコピーします。

また、WCSC27で優勝したelmoの評価関数は以下のところからダウンロード出来ます。

🌙 2017年5月時点では、この評価関数が最強でした。

SDT5のAperyの(やねうら王用に変換した)評価関数も使えます。

🌙 2017年末時点では、この評価関数が最強でした。

やねうら王、フォルダ構成例

  • 以下は、やねうら王(V7.61) + 水匠5付属、Windows(64bit) , AVX2用の構成例です。
- 📁 YaneuraOu-V761
  - 📁 book
    - 📄 *.db (やねうら王の標準定跡ファイルの場合)
    - 📄 book.bin (Apery定跡ファイルの場合)
  - 🗒️ YaneuraOu_NNUE-tournament-clang++-avx2.exe (やねうら王NNUEエンジン本体・実行ファイル、AVX2用。)

🖋 "*.db" の * はワイルドカード(何か具体的なファイル名が入る)の意味です。

💡 エンジンの実行ファイル"YaneuraOu_NNUE-tournament-clang++-avx2.exe"は、Mizarさんの配布している、Suisho5-YaneuraOu-v7.6.1+20220511b.master-windows.zipのなかにあります。

⚠ 配布しているzipファイルのなかには、"YaneuraOu_NNUE-tournament-clang++-avx2.log"のように拡張子が".log"になっているファイルが混じっています。(これは実行ファイルではありません) ファイルの拡張子を非表示にしていると、これに気づかないことがあるので、拡張子は表示させておくことをお勧めします。👉 Windows 10 ファイルの拡張子を表示させる方法 : https://www.pc-koubou.jp/magazine/36291

  • 以下は、やねうら王(V7.61) NNUE評価関数の構成例です。

⚠この構成例の場合、NNUE評価関数用の評価関数ファイルが別途必要です。有志が公開しているものをダウンロードしてきてevalという名前のフォルダを作って、そこに配置しましょう。

- 📁 YaneuraOu-V761
  - 📁 book
    - 📄 *.db (やねうら王の標準定跡ファイルの場合)
    - 📄 book.bin (Apery定跡ファイルの場合)
  - 📁 eval
    - 📄 nn.bin (NNUE評価関数の評価関数ファイル)
    - 📄 engine_options.txt (有志の公開している評価関数ファイルにこのファイルが付属していればこのファイルも"eval"フォルダに配置する。なければないで問題ない。)
  - 🗒️ YaneuraOu_NNUE-tournament-clang++-avx2.exe (やねうら王NNUEエンジン本体・実行ファイル、AVX2用)

💡 エンジンの実行ファイル"YaneuraOu_NNUE-tournament-clang++-avx2.exe"は、Mizarさんの配布している、YaneuraOu-v7.6.1+20220511b.master-windows.zipのなかにあります。

🖋 engine_options.txtは、その評価関数ファイルに関連するエンジンオプションの設定をするために、評価関数ファイルと一緒に配布されていることがあります。その場合は、上図のように"eval"フォルダ内に配置しましょう。