日本語版: Maya Domemaster3D Presets - zicher3d-org/domemaster-stereo-shader GitHub Wiki

目次

はじめに

Maya版のDomemaster3Dレンズシェーダー(以下、Domemaster3Dと呼びます)は、ドーム映像制作のためのアトリビュートエディター用プリセットを備えています。

Domemaster3D Maya アトリビュートプリセット

プリセットの置き場所

Windows環境でのDomemaster3Dのアトリビュートプリセットの置き場所:

C:\Program Files\Domemaster3D\maya\common\presets\attrPresets

Mac OS X環境でのDomemaster3Dのアトリビュートプリセットの置き場所:

/Applications/Domemaster3D/maya/common/presets/attrPresets

Linux環境でのDomemaster3Dのアトリビュートプリセットの置き場所:

/opt/Domemaster3D/Domemaster3D/maya/common/presets/attrPresets

プリセットの内容

domeAFL_FOV_Stereo

Large_Hyperstereo_Depth_65cm_Separation
Normal_Depth_6.5cm_Separation
Small_Macro_Scale_Depth_0.65cm_Separation

domeAFL_FOV_Stereoのプリセットを使って、シーンの立体視効果の強さを簡単に変更することができます。

Domemaster Stereo Shaderにプリセットを適用するには、DomeStereoCameraカメラリグに接続されたcenter_domeAFL_FOV_Stereoノードを選択する必要があります。中央視点カメラのdomeAFL_FOV_Stereoレンズシェーダーの設定を変更すると、左目と右目のカメラのレンズシェーダーにも自動的に変更が反映されます。

domeAFL_FOV_Stereoプリセットボタン

カメラ間の距離を調整することで、様々なシーンの立体視効果に対応できます。カメラ間距離に6.5cmを設定することで、一般的な人間の目で見た立体感を再現することができます。カメラ間距離を65cmに設定することで、巨人の目で見た立体感を再現できます。カメラ間距離を0.65cmに設定することで、小物が並ぶマクロスケールのシーンをレンダリングすることができます。

domeAFL_FOV_Stereoプリセットリスト

gammaCorrect

gamma_1_correction
gamma_dot_4545_correction

gammaCorrectのプリセットは、テクスチャ画像やカラー管理リニアワークフローのカラースウォッチ(Maya 2015以前のバージョン)のガンマ値を調整するのに便利です。

gamma_dot_4545_correctionプリセットはRGBカラースウォッチやガンマ補正されていない8bit PNG、TIFFあるいはPNG画像に、ガンマ値.4545のガンマ補正を適用します。ガンマ補正ノードはmia_materialやsurfaceShader、Blinn、Lambertシェーディングノードなどのサーフェースマテリアルとテクスチャ画像との間に接続します。

gamma_dot_4545_correctionプリセットを適用したgammaCorrectノード

ガンマ補正ノードをサーフェースマテリアルに接続することで、ガンマノードのカラースウォッチがレンダリング時にガンマ値0.4545を使用するようになります。

mib_texture_remap

angular_180_degree_remap
angular_220_degree_remap
angular_270_degree_remap
angular_360_degree_remap
hemirect_360x090_degree_remap
hemirect_360x110_degree_remap
hemirect_360x135_degree_remap
hemirect_360x180_degree_remap
regular_mapping

異なる視野角(FOV, fields-of-view)の環境マップ背景を使って"FulldomeIBL"や"HemirectIBL"シェルフツールで調整をしたい場合は、「ハイパーシェード」ウィンドウでmib_texture_remapノードを選択して、「アトリビュートエディタ」ウィンドウでこれらのプリセットのうちのひとつを適用します。

FulldomeIBLシェルフツールを使って環境マップ背景を作成する場合は、angular_180_degree_remapまたはangular_360_degree_remapプリセットを使用します。

HemirectIBLシェルフツールを使って環境マップ背景を作成する場合は、hemirect_360x090_degree_remapまたはhemirect_360x180_degree_remapプリセットを使用します。

regular_mappingプリセットはmib_texture_remapノードを初期値にリセットして、テクスチャ画像を1x1のUV座標系全体にマップします。

MayaのメンタルレイIBLシェイプノードには良くあることですが、mib_texture_remapテクスチャプリセットを適用すると、内側から見るか外側から見るかによってIBLテクスチャが反転して見えてしまいます。この環境マップ方向の反転を直すには、mib_texture_remapノードの変換行列の最初の入力欄に-1を設定します。

mib_texture_vector

screen_space
uv_texture_space

これら2つのプリセットを使うと、mib_texture_vectorノードを最もよく使われる2つのテクスチャ投影方法、UVテクスチャ座標系と、domeAFL_FOV_Stereoノードの制御テクスチャ画像で使用されるスクリーン座標系との間で簡単に切り替えることができます。

pfxToon

wireframeGridToon
wireframeGridToonTiny

Paint Effects Outlines

wireframeGridToonのプリセットは、ポリゴンメッシュにMayaのペイントエフェクト トゥーンシェーダーシステムを使ったワイヤーフレームスタイルのアウトライン描画を適用します。これはDomeAFL_FOVシェーダーを使ったドーム映像に対応したワイヤーフレームのレンダリングに利用できます。

ペイントエフェクトのトゥーンプリセットを適用するには、[レンダリング]メニューセットに切り替えて、メニューから[トゥーン] > [アウトラインの割り当て] > [新しいトゥーンアウトラインの追加]を選択します。

新しいトゥーンアウトラインの追加

「アトリビュートエディタ」ウィンドウのpfxToonで、[プリセット]ボタンをクリックします。

プリセットボタンをクリック

プリセットメニューでは2種類のトゥーンプリセット、wireframeGridToonWireframeGridToonTinyを選択できます。

pfxToonプリセットのリスト

もしもモデルが普通のサイズであれば、wireframeGridToonプリセットで問題ないでしょう。モデルが数センチほどの大きさしかなければ、wireframeGridToonTinyの方が良い結果になるかもしれません。

ペイントエフェクト トゥーンのストロークを、メンタルレイやこれをうまく扱えない他のレンダラ―で使用する場合には、これを通常のポリゴンに変換する必要があります。

ポリゴンエフェクトをポリゴンに変換

ペイントエフェクトのストローク、フィル、アウトラインを変換するには、「アウトライナ」か「ビューポート」からトゥーンアウトラインシェイプを選択し、メニューから[修正] > [変換] > [ペイントエフェクトをポリゴンに]を選択します。

変換が完了したら、pfxToonShapeのストロークに基づいて色を設定しましょう。これには、「アトリビュートエディタ」ウィンドウを開き、[pfxToonShape]タブから[surfaceShader]タブに切り替えます。

この[surfaceShadrer]タブで選択した色がレンダリング時に使用されます。下図のスクリーンショットでは[Out Color]でスウォッチを黒から明るい黄色に切り替えています。

メッシュの色を選択

remapColor

regular_settings
ldr_to_hdr_boost_05x
ldr_to_hdr_boost_10x
ldr_to_hdr_boost_15x
ldr_to_hdr_boost_20x
ldr_to_hdr_boost_25x
ldr_to_hdr_boost_30x

ファイナルギャザーやライト放出マテリアルに8bit形式のPNG/JPEG/TGA/TIFF/IFFテクスチャ画像や連番画像を使用する場合は、remapColorノードを使用してハイライトを強調できます。

これらのプリセットを使用して、低ダイナミックレンジ画像の一番明るい部分を光源にすることができます。ldr_to_hdr_boostプリセットは、画像の96%以上の輝度(0~255の値範囲で244以上の値、または浮動小数点で0.96以上の値)の領域を大幅に明るく表現します。

remapColorでLDRをHDR範囲のカーブに変換

名前からわかるように、ldr_to_hdr_boost_15xプリセットは画像の輝度を15倍にし、浮動小数点で1の輝度が15にまで明るく表現されます。

remapColor アトリビュートプリセット

ldr_to_hdr_boostプリセットではシーンに必要なライト放出の輝度が得られない場合、remapColorノードの[入力と出力の範囲]の欄を展開し、[出力最大値]の値をより高く設定して下さい。[出力最大値]の設定は画像の輝度に直接乗算されます。

FulldomeIBLツールやHemirectIBLツールのようにremapColorノードを環境マップテクスチャに適用するには、remapColorノードをmib_texture_lookup.OutValueアトリビュートとmentalrayIblShape1.colorアトリビュートの間に配置します。

mentalrayIblShapeによる輝度調整

環境マップの反射光や一次可視性の輝度を上げるには、メンタルレイIBLシェイプの[イメージベースドライティングアトリビュート]の欄を開きます。 これにはMayaの「レンダー設定」ウィンドウを開き、[間接ライティング]タブの[イメージベースドライティング]の欄にある矢印をクリックします。 これにより「アトリビュートエディタ」で"mentalrayIblShape1"シェイプが読み込まれるので、[レンダリング詳細]の欄を開きます。

IBL イメージベースドライティングの輝度調整

背景色の調整

背景画像の輝度を調整するには、[環境カラーエフェクトの調整]チェックボックスを有効化します。

[カラーゲイン]のカラーピッカーから値を設定することで、背景全体の輝度を上げることができます。カラーピッカーのHSV設定で、[V:]の値が輝度に乗算されます。[V:]に2.0を設定することで、シーンが2倍の明るさになります。

カラーピッカー

この背景をレンダリングするには、[一次可視性]のチェックボックスを有効化する必要があります。

IBL画像の背景はαチャンネル付きでレンダリングされているため、これをPNGやEXRファイルとしてコンポジット用のソフトウェアで扱う場合には「アルファを無視する」設定にする必要があります。

ファイナルギャザー + 色背景の調整

ファイナルギャザリングやライト放出において"source image"を光源としたIBL イメージベースドライティングで輝度を調整するには、[ファイナルギャザーエフェクトの調整]を有効化します。

[カラーゲイン]のカラーピッカーから値を設定することで、背景全体の輝度を上げることができます。カラーピッカーのHSV設定で、[V:]の値が輝度に乗算されます。[V:]に2.0を設定することで、シーンが2倍の明るさになります。[V:]に10.0を設定すれば、シーンが10倍の明るさになります。

カラーピッカー

surfaceShader

safe_viewing_zone_blue
zero_parallax_orange

surfaceShaderスウォッチ

domeAFL_FOV_Stereoノードはプレビュー用にふたつの色を使用します。オレンジ色はドーム半径(視差がゼロになる位置)を、水色は立体視のセーフゾーンを示しています。

viewColorManager

linearWorkflow
sRGB_workflow

"viewColorManager"にプリセットを適用するには、「レンダービュー」ウィンドウを開き、メニューから[ディスプレイ] > [カラー管理...]を選択します。

Render ViewのDisplayメニュー

「アトリビュートエディタ」でviewColorManagerの[プリセット]ボタンをクリックします。

Color Management

linearWorkflowまたはsRGB_workflow プリセットを選択して、「レンダービュー」のガンマ値を調整します。

Color Managementプリセット

"linearWorkflow"プリセットは「レンダービュー」の[カラー管理...]設定でレンダリング画像の入力プロファイルを"Linear"に、表示プロファイルを"sRGB"に設定します。これによって16bitの半精度不動小数点EXRレンダリングが「レンダービュー」が正しく表示されます。

"sRGB_workflow"プリセットは「レンダービュー」の[カラー管理...]設定でレンダリング画像の入力プロファイルを"sRGB"に、表示プロファイルを"sRGB"に設定します。これによって8bitのPNG/JPEG/IFFレンダリングが「レンダービュー」で正しく表示されます。


(翻訳: 株式会社オリハルコンテクノロジーズ 高幣俊之)
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