latex info - yarakos95/LaTeX-for-math GitHub Wiki

LaTeX について調べるにあたって

LaTeX についてパッケージなどを調べるときに,何を参考にすればいいのかを紹介しておきたい.

tips やコマンド等,さまざまな記事がインターネット上にあるが,どれが正しいかなど判断が難しいところも多々ある.最終的な判断材料としてこれらを解決する情報源を提示しておきたい.(動けば正解というのは一部でタダシイと思うけれど.) また,私が何を見て記事を書いているのかを明らかにしておきたい.

○ 書籍

LaTeX2e の入門書と言えば,記述評論社から出ている「LaTeX2e 美文書作成入門」だろう. → TeX・LaTeX :書籍ジャンル|技術評論社

また,TeXの本 - TeX Wiki でより多くの書籍が紹介されている.これらを読むのも有意義だろう. 大学なら,図書館や研究室配架に1冊くらいは置いてあるだろう.

あとはLeslie Lamport 著の「LaTeX: A Document Preparation System [Buy at Amazon][^googlepdf]」だろうか.

[^googlepdf]: Google で[LaTeX: A Document Preparation System pdf] と検索するとPDF が出てくるとはあまり大声では言えないナ.

○ インターネット

インターネットからでも十分に情報を得ることが出来る. 玉石混交なLaTeX に関する文書があるので,非常にインターネットリテラシが問われるように思う.

確実に信じられるページを紹介しておきたい.(さぁて,この記事は信用に値する記事になっているかな.)

■ LaTeX のプロジェクトページ

このプロジェクトページ内にあるLaTeX Documentation では以下の文書が公開されている. これを参照していきたい.

※ 直接PDF のリンクを貼っておきますが,バージョン変更に伴ってリンク切れが生じる場合があります.

● LaTeX ガイド

全編英文なので,あまり読む気が起きない人もいるのではないだろうか.(当人がそれ) 以下に日本語訳版があるので,そちらから読んでも良いのではないだろうか.

● LaTeX ガイド 日本語版

LaTeX Documentation で紹介されているYukitoshi FUJIMURA 氏が作成した以下の3つの文書がもっとも読みやすいのではないだろうか.この文書は上に上げた3つの文書の日本語訳に対応している.

ただし,以下のようなコメントがなされていることも踏まえて,原文となるガイドを読むこともオススメしておきたい.^addcomments (Japanese translation readme より抜粋)

これらの日本語訳は、もともとは私的目的で,上記の機関とは無関係につくりました. 内容の正確性については原文を確認してください.

また,Koji Aoyama 氏が作成した以下の文書も比較的読みやすいものとなっている.

■ AMS-LaTeX

AMS-LaTeX はアメリカ数学会(America Mathematical Sciety: AMS) によって開発されたパッケージおよびクラスファイルです.(AMS-LaTeX - TeX Wiki より.) amsmath やamsthm など頭に"ams" と付くものはアメリカ数学会が作成したものとなっている.

数式モードを利用して数式を作成する場合,amsmath はほぼ必ず使用されるので,これらを参照しても良いだろう. 理系なら呪文のように\usepackage{amsmath} としているが,誰が作った何者なのかくらいは知っておいても損はないだろうというお気持ちで紹介している.

■ CTAN

Comprehensive TeX Archive Network: CTAN とは,TeX に関連するファイルやソフトウェアを収集したウェブサイトの集合体.(CTAN - TeX Wiki より.)すでに6000近いパッケージが収録されている.(2020/10 現在) TeX Live をダウンロードするために利用したりする[^mirror]が,ここからパッケージガイド等を参照することが出来る.

[^mirror]: 本当はCTAN から直接ダウンロードするのではなく,CTAN # mirror-sites - TeX Wiki を参照してミラーリングサイトからダウンロードするのが一般的である.

Google 等で[CTAN "package name"] と検索すれば,CTAN にあるパッケージのページを参照することが出来る.

amsmath に関してはすでにパッケージガイドを紹介しているが,他のパッケージガイドはCTAN から見ていきたい.

例 : Google で[CTAN mathtools] と検索してみる.

※ CTAN のパッケージガイドは最新のものになっているので,パッケージを更新していない場合にはバージョンが一致しない場合があります.

CTAN からパッケージガイドを参照することが出来るが,TeX Live の場合ではローカルに保存されたパッケージガイドを検索することが出来るので,そちらで探す方が楽だろう.参照節 # コマンドラインから

■ TeX Wiki

TeX, LaTeX, PDF, PostScript などに関する情報を提供する,読者参加型ページである. TeX について基本的な情報がそろっている.この記事のほとんどにはTeX Wiki のページを参照して紹介している.

個人的にはあまり見ていない^texwikinoyokunaitokoroが,ヒントは多い. また,以下のページは参考になるのではないだろうか.

■ 質問箱

日本

海外

これらから有意義な答えやヒントを得ることが出来る. 正しいのか正しくないのかあまり分からないので,最終的にはパッケージガイドを参照している.

○ コマンドラインから

TeX Live[^texlive] がPC に導入されている場合,以下の方法を用いてローカルに保存されているパッケージガイドをコマンドライン[^commandline]で検索することが出来る.

[^texlive]: TeX Live は TeX のディストリビューションです. TeX の超巨大な集大成ともいえるもので,現在では国際的に最も普及している最新の TeX ディストリビューションです.(TeX Live - TeX Wiki より.)

[^commandline]: Windows ではコマンドプロンプト,macOS ではターミナルとか言われるアレ.

以下で紹介するTexdoctlmgr はコマンドラインツールであり,TeX Live を導入している場合に付属されている.

■ Texdoc

Texdoc はTeX Live に含まれるドキュメントを検索・閲覧するためのコマンドラインツールです.(Texdoc - TeX Wiki より.)

以下のようにするとCTAN と同様のパッケージガイドを見ることが出来る.

$ texdoc <package name>

以下の記事でより紹介されている. TeX Live ドキュメント案内 - Qiita

例を示しておきたい.

例 :

$ texdoc short-math-guide
$ texdoc jsarticle
$ texdoc mathtools

既定のPDF ビューワによってファイルが開かれる.これによって開かれるすべておおよそのドキュメントは英文で構成されている.[^japanesetexdoc] また,これらのファイルは以下のディレクトリに入っている.このディレクトリにはsty ファイルは入っていない.

[^japanesetexdoc]: jsclasses やBXjscls は日本語向けクラスファイルなので日本語で書かれていたりする.しかし,多くのパッケージでは英語である.

~\texlive\2020\texmf-dist\doc\latex

よく参照するパッケージガイドがあれば,ショートカットを作成しておくと良いだろう.

■ tlmgr

tlmgr はTeX Live のパッケージを管理するためのコマンドラインツールです.(tlmgr - TeX Wiki より.) tlmgr という名前は,"the native TeX Live Manager" から来ているようです.

TeX Live を更新する際にtlmgr を使って更新するが,今回はパッケージのバージョン確認の方法を紹介しておきたい. パッケージのバージョンを確認したい場合には以下のようにすると良い.

tlmgr info <package name>

※ パッケージが見つからない : 以下でも紹介されているが,\usepackage で使用する名前とインストール時の名前が異なる場合がある.

包括的な解決方法は分からない.

○ Twitter

日本人でLaTeX に貢献している人がいるので,私が把握している範囲で紹介しておきたい. 個人的な繫がりはないので,こそっとTwitter のリンクを貼っておきます.

@h_okumura @zr_tex8r @munepixyz @aminophen @wtsnjp

ともかく,みなさんすごい人です(語彙力)!! この辺りの人たちを追っていると何となくわかります.

TL を追っているとたまにTeX Live の大きな更新の際にツイートしていただいていたりして,ありがたいです.(最近このようなツイートがあった) 頻繁に雪だるま:snowman:が回っています.寿司も飛びます:sushi:

実際に回っている様子が観測されました!

貼っておきますね☃🍣☺#TeX #TeXLaTeX #ナントカ pic.twitter.com/2jKHYNyz0Y

— 某ZR(ざんねん🙃) (@zr_tex8r) October 5, 2020
<script async src="https://platform.twitter.com/widgets.js" charset="utf-8"></script>

また,某ZR さんにはいくつかの記事にLGTM をしていただいていてすごく嬉しいです.ありがとうございます!

余談

書籍に関して私は,一度だけ研究室にあった「LaTeX2e 美文書作成入門」を一通り読んだ程度で,それ以外は読んだことはない. インターネット上に上げられている情報を得ることが多い.

プロジェクトページにあるガイドやパッケージガイドを読めば,書籍を読まずともおおよそは作成することが出来ると思う.(と言っても,初めてLaTeX を扱う人は「LaTeX2e 美文書作成入門」を一度読んでおくと良いと思う.)

(いまだに線引きはよく分かっていないが)TeX レベルでの編集をすると挙動がよく分からない.正しいのか正しくないのか判断がつかない部分がある. したがって,LaTeX レベルでの編集を心掛けているし,パッケージガイドに載っている範囲での記事を書くようにしている.

LaTeX レベルと言いつつ,パッケージで出来る範囲での記事であればLaTeX レベルでもないような気もする. 少なくとも,いじったら何がどのように変わるかが説明されている範囲でしか記事にしていない.

LaTeX 関連の記事を書くお気持ちとしては,卒論等の一時期でしかLaTeX を使用せず,tips 程度にしか必要としない場合であれば,動けばそれで良くパッケージガイドを参照している時間はないと思う. その意味で,パッケージガイドをある程度かみ砕いたような記事を作成しておいた方が後々にそれを読んで役に立ってくれる人が現れるのではないかと期待している.

余談2

TeX レベルとかLaTeX レベルとかよく分かっていないので,自分なりにまとめておきたい.

追記

  • 乱雑な言葉を軽微修正しました.また,Twitter で雪だるまが回り寿司が飛び交う様子が観測されたので追加しました.
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