(COBOL) COBOLと「2025年の崖問題」 - tsukimisoba/Blog GitHub Wiki
2025/05/21 記載
COBOLと「2025年の崖問題」
1. 「2025年の崖問題」とは?
「2025年の崖問題」は、日本の経済産業省が警鐘を鳴らしているレガシーシステムの維持による経済的損失のリスクを指します。具体的には、以下のような問題が発生すると予測されています:
- COBOL技術者の定年退職:2025年にはCOBOL世代の技術者が業界からほぼ消失し、システムの維持・運用が困難になる。
- ブラックボックス化:長年のカスタマイズにより、システムの構造が複雑化し、改修が困難。
- DX(デジタルトランスフォーメーション)の阻害:企業が新技術を導入しようとしても、既存システムの制約により進められない。
- 経済的損失:この問題を克服できない場合、年間最大12兆円の経済損失が発生する可能性がある。
2. COBOLの現状
COBOLは1960年代から使用されているビジネス向けプログラミング言語であり、特に金融機関や行政機関で広く使われています。現在も多くの企業がCOBOLシステムを維持している理由は以下の通りです:
- 安定性:長年運用されており、問題なく稼働しているため、変更のリスクを避けたい。
- 移行コストの高さ:COBOLからJavaなどの新しい言語へ移行するには膨大なコストと時間がかかる。
- 技術者不足:COBOLを扱える技術者が減少しており、移行作業を担う人材が不足している。
3. 解決策と今後の展望
「2025年の崖問題」を回避するために、企業は以下のような対策を検討する必要があります:
- システムのモダナイズ:
- COBOLからJavaやPythonなどの最新技術への移行。
- クラウド化による柔軟な運用。
- 技術者の育成:
- COBOL技術者の若手育成やリスキリング。
- AIを活用したコード変換による移行の効率化。
- マイグレーションツールの活用:
- 「JANUS Studio®」などの自動変換ツールを活用し、COBOLからの移行をスムーズに進める。