意訳:「 Elasticsearch and Kibana are now business risks 」 - oomichi/try-kubernetes GitHub Wiki
https://anonymoushash.vmbrasseur.com/2021/01/14/elasticsearch-and-kibana-are-now-business-risks の意訳
2021年1月14日の VM Brasseur 氏のブログから。
Elasticsearch と Kibana は事業リスクがありますよ
Open Sourceプロジェクトのユーザをお金を払ってくれる顧客に変換する行動において、Elastic社は本日 Elasticsearch と Kibana を Open Source ライセンスであるApache v2 から SSPL に変更した。もしもあなたの企業が Open Source 版の Elasticsearch と Kibana を製品やプロジェクトで使っている場合、あなたの会社の知財を公開するように強制されるリスクに晒されることになる。
もしも SSPL について良く知らないのであれば、https://mjg59.dreamwidth.org/51230.html を参考にしてほしい。 SSPL はビジネス観点からとても大きな問題を抱えている。私が SSPL の内容を伝えた知財関連の法律家は全員、そのSSPLの内容を すべて読み終える前に警告した。基本的に SSPL は Open Source に見せかけた敵対的プロプラエタリライセンスである。 SSPL プロジェクトをあなたのコードで使うことで、あなたは次のことに合意したことになる。
- もしもそのコードを使ってオンラインサービスを提供している場合、そのコードだけでなくそれを支えるすべてのソフトウェアのコードをSSPL においてリリースする必要がある。
SSPL に関する FAQ が https://www.mongodb.com/licensing/server-side-public-license/faq にあるが、もしもあなたが SSPL ライセンスに合意する場合、SSPL ライセンス文書に合意することを意味する。FAQ に合意することを意味していない。 もしもライセンス文書があいまいな場合、あなたの権利と責任もそのライセンスにおいてあいまいということだ。 ライセンスに対するあなたのコンプライアンス(遵守)は判決を前に揺れることになるだろう。 このあいまいさはあなたの会社にとってリスクとなる。
Elastic 社のアナウンス https://www.elastic.co/blog/licensing-change において、彼らは単に Open Source ライセンスの変更だと言った。 一方において彼らは正しい。彼らは Open Source ライセンスである Apache v2 ライセンスから離れることを示しているからだ。 しかしながら変更先のライセンスはプロプラエタリソースが可能なライセンスと呼ぶのが相応しいものだ。Open Source ライセンスではない。 SSPL の作者である MongoDB は Open Source Definition をメンテナンスする団体 Open Source Initiative (OSI) に対して SSPL も Open Source ライセンスとして認めてもらうよう要求した。法律家、ライセンス、そして Open Source の専門家によって構成された パネルの議論によって、MongoDB は SSPL が Open Source ライセンスとして認めてもらうという要求を辞退することになった。 この係争における結論は「SSPL は Open Source ライセンスではない」。 船の帆は張られた。もしも本件について問題を持っているのであれば、https://lists.opensource.org/pipermail/license-discuss_lists.opensource.org/2019-May/020483.html を見てほしい。 Elastic は SSPL を Open Source ライセンスと誤ったことを発表しているが、私は OSI が Elastic と議論し、本件に関して公式見解をすぐに出すことを期待している。 (補足:2021/1/19 に OSI が「SSPL は Open Source ライセンスではない」というリリースを出している。https://opensource.org/node/1099 )
これはビジネス判断であり、イデオロギー的な判断ではない。Elastic社はビジネス判断によって、この敵対的なプロプラエタリライセンスに変更し、ユーザを顧客になるように 影響(恐喝)を与えることにしたのだ。 この判断自体は Valid (違法性は無い)だ。彼らはこの手の戦略的行動を許されている。
しかしながら、あなたそしてあなたの会社は今、このビジネス判断に巻き込まれている。もしもApache v2 ライセンスの Elasticsearch もしくは Kibana を 製品もしくはプロジェクトで利用している場合、現在リスクに晒されることを理解すべきだろう。 Apache v2 ライセンスである Elasticsearch v7.10 から、SSPL となる v7.11 へのバージョンアップは可能となるだろう。そのバージョンアップは SSPL に合意することになり、あなたの製品・プロジェクトのすべてのスタックのコードをリリースするという要求に潜在的に合意したことになる。