書籍_アフリカ哲学全史 - ntuf/Tips GitHub Wiki

したがって、ウブントゥとは端的に訳すとすれば、日本語では「人間性」「人格性」、
英語で言えば「personhood」「humanness」、あるいは「human being」を意味する言葉である。
南アフリカでは、ングニ系諸語(コーサ、ズールー、ンデベレ、スワジ)では「ウブントゥ」と呼ばれ、
ソト系諸語(ペディ、ソト、ツワナ)では「ボト」が同義語だとされる。ングニ系諸語では、
生者は「ウムントゥ」と呼ばれるので、「ウブントゥ」の方は、「祖先−生者−子孫」と続く人間存在の系列や生成変化を指している言われる。
ただし、この概念を他の言語に置き換えてしまうと、そこに含まれるサハラ以南の人間観が抜け落ちてしまう。
たとえば、バントゥ語では「あの人 はウブントゥを持っている(Yu, u nobuntu)」という表現が頻繁に使われる。
それは、その人が、他の人間を気遣い配慮に満ちた、寛容でホスピタリティのある優しい気持ちを持ち、
社会における義務に忠実な人であることを意味しているという。それは、その人が自分の権利を他の人の諸権利との関係の中に
おいてしか意識しないことを含意するという。
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