拡張力行指令 - magicant/bve-autopilot GitHub Wiki

拡張力行指令

一般的には運転士が手動で列車を運転するときに使用する力行ハンドルは 4~5 段階程度のノッチで区切られていますが、ATO が自動で運転する際には 10 段階以上に細かく区切られたノッチで力行の強さを制御するものも実用化されています。それを bve-autopilot プラグインで再現するには、車両データの性能設定とプラグインの設定を適切に噛み合わせる必要があります。

この機能はプラグイン v1.16 以降で使用できます。

以下は、手動運転時の力行ノッチを 4 段階 (P1~P4) にしつつ ATO 自動運転時の力行ノッチを 10 段階 (P1~P10) にする例で説明します。

車両性能の設定

車両性能の設定の仕方については BVE 公式サイトの車両性能車両性能テーブルの解説をまず理解してください。

ATO で 10 段階のノッチを制御できる様にするために、力行時の性能曲線を 10 本設定する必要があります。 例えば進段パラメーターテーブルは以下のように一行当たり 10 個の値を指定します。

BveTs Vehicle Performance Table 2.01
BreakerDelay_On,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
BreakerDelay_Off,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5,0.5
ResetTime,1,1,1,1,1,1,1,1,1,1
CurrentReducingTime,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
JerkRegulation_Up,300,300,300,300,300,300,300,300,300,300
JerkRegulation_Down,300,300,300,300,300,300,300,300,300,300
RequiredNotch_Up,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11
RequiredNotch_Down,0,1,2,3,4,5,6,7,8,9
StepDelay_Up,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
StepDelay_Down,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
CurrentLimitingValue_Empty,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0
CurrentLimitingValue_Full,0,0,0,0,0,0,0,0,0,0

進段パラメーターテーブル以外の車両性能テーブルファイル (つまり引張力や電流を指定するファイル) にも、同様に各行 10 個の値を記入します。

なお、ブレーキ用の性能曲線は通常通りの設定で問題ありません。力行用の車両性能のみ上記編集を行ってください。

プラグインの設定

bve-autopilot プラグインの設定は autopilot.ini ファイルで行います。入力ノッチ変換と加速度表の二つを設定する必要があります。

入力ノッチ変換

手動運転時の力行ノッチと自動運転時の力行ノッチとの対応を設定するために、autopilot.ini ファイルの [power] セクションの中で translation を記入してください。 例えば、手動運転時の P1, P2, P3, P4 が自動運転時の P2, P4, P7, P10 に対応する場合は、以下のように書きます。

[power]
translation = 2, 4, 7, 10

この設定を行わないと、手動運転時の P1~P4 がそのまま自動運転時の P1~P4 に対応することになり、手動運転時にとても弱い加速しかできなくなります。

ノッチの対応のさせ方は、ノッチの段数や加速力に応じて適宜調節してください。例えば手動運転時のノッチが 5 段階で自動運転時のノッチが 30 段階ある車両では translation = 5, 10, 17, 24, 30 とするのが良いかもしれません。

加速度表

autopilot.ini ファイルの [acceleration] セクションで各ノッチの加速度を記入してください。 加速度を設定しないと、プラグインは ATO 運転時に最も強い力行ノッチしか使用しません。

記入の仕方は設定ファイル仕様を参照してください。