トヨタの強さの秘密 - kshirotori/dokusyo GitHub Wiki

1章 国道248号線の東と西

トヨタ開発方式(TPD)・トヨタ生産方式(TPS)があり、世の中に出回っている知識はTPS。 TPDは設計する過程。 TPSはTPDで作られた設計情報を物にコピーする過程や品質を向上させるための考え方。 ものづくりの本質は設計を作り出す部分にあり、利益の95%はTPDで作られる。 TPSだけではTOYOTAの強さの本質はわからない。

2章 知識化するもの作り

Just in time生産システム 「必要な物を、必要な時に、必要なだけ生産すること。」

「必要な物を」作る(考える)のは設計=TPDの役割 「必要な時に、必要なだけ生産する」のはTPSの役割

商品が自分のニーズに適合している = 買う 自分でもよくわかっていないような自分の本当のニーズに適合している = 多少高くても買う 適合していない = 安くても買わない ニーズに適合している上に安い = お買い得

設計者の仕事 = 買手のニーズへの適合度をあげる・見つけ出す。

人間の労働は4つに分けられる

  1. 創造的知識労働
  2. 転写型知識労働
  3. カイゼン型定型労働
  4. 定型労働

企業の成長につながる、本質的な価値を生み出すような情報資産を生み出しているのは1と3。

TPSの役割

設計情報から製品の間のプロセスを最小費用、最小運転資金で行うことが目的。

車作りは部品の調達から始まり、在庫の保存に至るまで膨大な金がかかるので、 必要な時に必要なぶんだけ作り現金にできれば有利。

TPSでは「売れるモノ」しか作らない。「工場が動く」=「製品が売れる」=「現金が入って来る」という関係になる。 つまり、売れるモノを設計する段階にTPSを適用しても守備範囲ではないのでうまくいかない。

TPDの人間系

「リーン製品開発方式 トヨタが実践する価値創造の確かな進め方」という本がリーン開発のバイブル的存在 TPDの流派

  • リーンスタートアップ
  • リーンローンチパッド
  • ワーストワークス
  • デザインシンキング

3つの情報資産モデル

知識化した現在のものづくりにおける本質的な資産

  • 設計情報
  • 情報資産を生み出したりするプロセスに関するノウハウ
  • 情報資産を生み出す人間の頭脳

3章 主査制度とは何か

主査は担当する全ての事柄(調査、企画、開発、生産準備、生産、販売)に責任を持つ 各部署に対していタイムリーに具体的な方針、指示を与える。

一般的な横串組織の調整役ではない。 主査の使命は、自分が実現したい製品を作ること。

4章 売れないものの基礎研究はしない

トヨタは製品化を目的として研究している。研究者は主査に売り込みをする。製品化されて評価される NTTは要素技術の研究が中心でどうやって財やサービスに紐づくのかわからずに研究している。

研究成果を世に出す仕組みになっているのでトヨタはイノベーションを起こせる。

5章 TQMと主査制度

TOYOTAでいうマネジメントはTQMのことであり、「うまくいく状態を管理したり、さらにその状態を良い水準にするため」コントロールする技術 TQMは「会社のあるべき姿」と「現状」のギャップを埋めていく活動。

欧米流の目標管理と、TQMの方針管理は異なる。 方針管理ではあるべき姿、結果とされに至るプロセスの双方を向上させることになっている。

方針管理はプロセスに対しての知識(失敗、成功共に)が蓄積する。 目標管理は結果を重視しプロセスは重視されない。「なぜうまくいったのか、なぜ失敗したのか」という知識が残らない。

欧米の目標管理はプロセスはひとびの頭に記憶されるだけ。

6章 トヨタを支える系列

何を作るか考え、研究開発費はTOYOTAが持ってくれる(試作品を高値で買う)ので実は系列はぼろ儲け。 定期値下げができないということはアタマのハタラキ(カイゼン活動)が足りないという仕組みになっている。 トヨタの求める機能、性能、原価を満たす努力をすることで、情報資産が蓄積する。

知識の資産性で儲けている。トヨタは自社でできるものは外に出し、できないものは中でチャレンジする。

7章 トヨタを支える企業文化