半導体事情 - kentakozuka/yetos GitHub Wiki

SoC と Sip

SoC: System on a Chip

SoCとは、ある装置やシステムの動作に必要な機能のすべてを、一つの半導体チップに実装する方式。ターゲットとなる装置により構成は異なるが、マイクロプロセッサを核に各種のコントローラ回路やメモリなどを統合したチップが多い。

SiP: System in a Package

複数のICチップを一つのパッケージにまとめ一体化したもの。機能の異なる複数のチップを組み合わせ、一つのICパッケージで複雑で高度なシステムを実現することができる。

チップの配置・接続の方法により、チップを縦に重ねて配置するスタック型、横に並べて配置する平置き型、パッケージ同士を重ねるPoP(Package on Package)型などの種類がある。これに対し、一つのチップに様々な機能を統合したSoCに比べ、機能が同じなら性能や消費電力では劣るが、個々のチップの開発・製造は別に行われるため、開発期間やコストでは有利で、CPUとメモリなど構造や製造プロセスが大きく異なるチップ同士も比較的容易に組み合わせられる。

IDMとファブレス/ファウンドリ

  • IDM(Integrated Device Manufacturer)は設計と製造を手掛ける垂直統合型デバイスメーカー
  • ファブレス企業は、製品の企画・設計・マーケティング・販売などの機能に特化しており、製品の生産は他社に委託します。主なファブレス企業として、Qualcomm・Broadcom・NVIDIA・MediaTek・AMDなどが挙げられます。
  • ファウンドリは生産機能のみに特化したメーカーやビジネスモデルのことを指します。主な企業としては、TSMC、サムスン電子、UMC、GlobalFoundriesなど
  • ファブレス企業はファウンドリ企業に自社製品の生産を委託し、ファウンドリ企業は生産した製品をファブレス企業に納品するという仕組み。

Apple Silicon

Apple Silicon というのは、Apple 社が開発した ARM の System on a Chip ( SoC ) と System in a Package ( SiP ) の総称です。

会社

IDM

Intel

Texas Instruments

TIは、Intelと並んで半導体ICを発明した企業の一つであり、1970年代には半導体企業の1位、2位を競い合っていた。初期の半導体メーカーのほとんどが消えてしまったが、TIは未だに生き残っており、アナログ半導体ではトップメーカーである。TIがいかに生き残ったかについて後ほど詳しく述べるため、ここではInfineonについて紹介する。

Infineon Technologies

Infineonは、ドイツに本社を置く半導体メーカーで、重厚長大のSiemensからスピンオフして誕生したが、現在、Siemensは親会社ではない。つまり完全独立の半導体専業メーカーである。日本の半導体の多くが総合電機を親会社として、いつまでも親会社が支配してきた会社とはまったく違う。

Infineonは生産した半導体の売上額の50%弱が車載向け半導体であり、Siemensがクルマを作っていないことから製品は、クルマメーカーのティア1サプライヤーに販売している。日本でもティア1サプライヤーを通してOEMであるトヨタ自動車に納入されており、トヨタの広瀬工場から高品質であることを理由に何度か表彰されている。

2021年4月に米国のマイコンとNORフラッシュメモリのメーカーであるCypress Semiconductorの買収を完了したが、これによって自動車向け半導体製品のポートフォリオが豊富になった。特にマイコン競品はハイエンドからミッドレンジ、ローエンドまですべてそろい、しかもこれからのセキュリティ強化製品も広がった。

Infineonの得意なパワー半導体では、シリコンのパワーMOSFETをはじめ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、GaN(窒化ガリウム)のHEMT(High Electron Mobility Transistor、高移動度トランジスタ)、SiC MOSFETなどを生産している。特に300mmウェーハを用いたパワー半導体の完全自動化工場をドイツのドレスデン(Dresden)に続き、オーストリアのフィラハ(Villach)にも設立し、稼働にこぎ着けた。

ファブレス企業

Qualcomm

ファブレス半導体企業のなかで売上高トップのQualcommは、携帯電話とスマートフォンビジネスで大きく成長した企業である。特に同社が基本特許を持つCDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重アクセス)技術は第3世代(3G)のすべての携帯電話に使われた。このことで同社は大きく伸びた。チップ販売だけではなく、特許のライセンス販売でも3Gの売り上げに大きく貢献した。同社が推進するCDMA 2000仕様のチップは同社から購入するが、他の半導体メーカーが作るW-CDMA仕様のチップに関してはそれを使う携帯電話メーカーも含め特許料を徴収した。同社はファブレス半導体部門と特許部門に分かれ、新技術開発はファブレス半導体部門が担った。

Broadcom

Broadcom社もユニークな会社である。元々Broadcomはギガビットイーサネットが強い会社で、UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)から誕生したスタートアップであった。40社以上もの企業買収を繰り返して成長し、有線の高速イーサネットや光通信、モバイル、ワイヤレスのWi-FiやBluetoothなど通信関係で成長してきた。半導体ビジネスは研究開発費として売上額の10〜20%も投じなければライバルに勝てない産業である。研究開発費が少なければ企業を丸ごと買って新技術を手に入れることができる。Broadcomの生き方は買収で成長する道を選んだ。

NVIDIA

NVIDIA 社は、元々ゲーム機用のグラフィックスチップで大きく成長した企業である。デスクトップパソコンを用いたゲーム用の鮮明なグラフィック映像を描くのに必要なGPU(Graphics Processing Unit)を提供してきた。今では、e-スポーツとも呼ばれるような対戦ゲームなどの鮮明な画像を必要とするデスクトップパソコンのグラフィックスエンジンとして欠かせない半導体になっている。

MediaTek

MediaTek Inc.(台)~ファブレス半導体企業④ 台湾は1990年代にファウンドリのTSMCがある程度大きくなった後に、ファウンドリだけではなくファブレス半導体企業の育成にも力を入れた。ファブレスで最も成功を収めたのがMediaTekだ。最初は、CD-ROM装置やDVDプレイヤーで成功した。日本の半導体企業が自社のCDやDVD事業部門向けのチップを開発したのに対して、MediaTekは複数の規格が乱立するすべてのCDやDVD規格を含めたプレイヤー向けチップを開発した。これによって、MediaTekのチップと三洋電機のレーザーピックアップさえあれば、どこでもCDプレイヤーが作れるようになった。

Novatek

Realtek

Dialog Semiconductor

AMD

AMD Inc.(米)~ファブレス半導体企業⑤ AMDは今や完全なファブレスである。2008年10月までIDMであったAMDは、ファブレスのAMDとファウンドリのGlobalFoundries(以下GF)に分かれた。ファウンドリ部門は、2009年にアラブのアブダビ首長国が保有する投資会社ATICからの出資を受け、現在のGFになった。

Xilinx

Marvell

ファウンドリ企業

参考

https://minsaku.com/articles/post831/ https://go.orixrentec.jp/rentecinsight/it/article-178 https://e-words.jp https://zenn.dev/suzuki_hoge/books/2021-07-m1-mac-4ede8ceb81e13aef10cf/viewer/1-cpu-and-is