【CI CD】Ansible（アンシブル）について - j-komatsu/myCheatSheet GitHub Wiki

Ansible（アンシブル）について

1. Ansibleとは？

読み方: アンシブル

Ansible は、サーバー構成管理やアプリケーションのデプロイを自動化するオープンソースツールです。シンプルでわかりやすい構文（YAML）を用いることが特徴です。

Ansibleの特徴

特徴	説明
エージェントレス	クライアントに特別なソフトウェアをインストールせずに管理可能
シンプルな記法	YAMLを使ったPlaybookで構成管理
冪等性（べきとうせい）	何度実行しても同じ状態を維持できる
マルチプラットフォーム対応	Linux、Windows、クラウド環境など幅広く対応

【たとえ話】

Ansible は「リモートで指示を出すロボットの指揮官」。

指揮官（Ansible）が兵士（サーバー）に指示（Playbook）を送り、環境を設定する。
兵士（サーバー）は指示通り動作するが、特別な装備（エージェント）は不要。

2. Ansible の基本構成

Ansible の主な要素

要素	説明
Inventory	管理対象のサーバー情報を記述（ホストリスト）
Playbook	実行する処理を記述（YAML形式）
Module	各タスクを実行するための機能（ファイル操作、パッケージ管理など）
Task	Playbook内で定義される具体的な処理
Role	Playbookの再利用・整理のためのディレクトリ構造

Ansibleの処理フロー（Mermaid.js）

flowchart TD
  A[Ansible実行] -->|対象サーバーの指定| B(Inventory)
  B -->|タスク実行| C(Playbook)
  C -->|各処理を実行| D(Modules)
  D -->|サーバー状態変更| E(Managed Hosts)

3. Ansible のインストール

【初学者向け】

Ansible のインストール（Linux環境の場合）

# Ansibleをインストール（RedHat系）
sudo yum install ansible -y

# Ansibleをインストール（Debian系）
sudo apt install ansible -y

【専門者向け】

最新バージョンをPythonの仮想環境で管理する方法

# Python仮想環境を作成し、Ansibleをインストール
python3 -m venv ansible_env
source ansible_env/bin/activate
pip install ansible

4. 基本的な使い方

(1) Inventory ファイルの作成

# inventory.ini
[webservers]
192.168.1.10
192.168.1.11

[dbservers]
192.168.1.20

(2) Ansible の接続テスト

ansible all -i inventory.ini -m ping

(3) Playbook の作成と実行

【YAML形式のPlaybookの例】

- name: Apacheのインストール
  hosts: webservers
  become: yes
  tasks:
    - name: Apacheをインストール
      yum:
        name: httpd
        state: present
    - name: サービスを起動
      service:
        name: httpd
        state: started

【実行方法】

ansible-playbook -i inventory.ini playbook.yml

5. Ansible の応用例

(1) ユーザー作成の自動化

- name: ユーザー作成
  hosts: all
  become: yes
  tasks:
    - name: ユーザーを作成
      user:
        name: deployuser
        shell: /bin/bash

(2) Docker のセットアップ

- name: Dockerをインストール
  hosts: all
  become: yes
  tasks:
    - name: 必要なパッケージをインストール
      yum:
        name: ['yum-utils', 'device-mapper-persistent-data', 'lvm2']
        state: present
    - name: Dockerリポジトリを追加
      command: amazon-linux-extras enable docker
    - name: Dockerをインストール
      yum:
        name: docker
        state: present
    - name: Dockerサービスを起動
      service:
        name: docker
        state: started

6. まとめ

Ansible のメリットとデメリット

メリット	デメリット
エージェントレスで簡単に導入可能	Windows管理はやや制限がある
YAML記法で直感的に書ける	大規模な環境では処理速度が遅くなることがある
冪等性があり、何度実行しても同じ結果になる	高度なカスタマイズにはJinja2やPythonスクリプトが必要

Ansible を活用することで、サーバーの設定管理をシンプルかつ自動化できます。特に、クラウド環境や大規模なインフラを管理する際には、非常に便利なツールとなります。

→ 次のステップ：実際にAnsibleを使ってサーバー構築を試してみよう！