【データベース】SQLチューニング - j-komatsu/myCheatSheet GitHub Wiki
SQLチューニング
1. はじめに
SQLチューニング(SQL Optimization)は、データベースのクエリ性能を向上させるための技術です。
適切なチューニングを行うことで、レスポンス速度を向上させ、システムの負荷を軽減できます。
2. SQLチューニングの基本概念
2.1 初学者向け解説
SQLチューニングとは、データベースに対する問い合わせ(SQLクエリ)の実行速度を向上させることです。
以下のような対策が一般的です。
対策 | 説明 |
---|---|
インデックスを作成する | データ検索を高速化するための仕組み |
不要なデータ取得を避ける | SELECT * を避け、必要なカラムのみ取得する |
結合処理を最適化する | JOIN を適切に使用し、インデックスを活用する |
クエリの実行計画を確認する | EXPLAIN コマンドを使用し、どのようにクエリが実行されるか分析する |
2.2 専門者向け解説
SQLの最適化には、以下のような高度な手法があります。
技術 | 説明 |
---|---|
カーディナリティの最適化 | 統計情報を利用し、クエリの選択率を向上 |
パーティショニング | 大量データを効率的に分割し、検索を高速化 |
マテリアライズドビュー | 頻繁に使用する結果をキャッシュ化し、高速に取得 |
クエリリライティング | SQLをより効率的な形式に書き換える(例: EXISTS の利用) |
3. SQLチューニングの流れ
flowchart TD
A[パフォーマンス問題の特定] --> B[実行計画の分析]
B --> C[ボトルネックの特定]
C --> D{対策の選択}
D -->|インデックス最適化| E[インデックス作成]
D -->|クエリ最適化| F[SQLのリファクタリング]
D -->|データベース設計| G[正規化・パーティショニング]
E --> H[再評価]
F --> H
G --> H
H --> A
4. インデックスの活用
4.1 インデックスの種類
インデックスの種類 | 説明 |
---|---|
主キーインデックス | テーブルの主キーに自動的に作成される |
一意インデックス | 一意性を保証しつつ検索を最適化 |
フルテキストインデックス | テキスト検索の高速化 |
パーティションインデックス | パーティショニングされたデータ用のインデックス |
4.2 インデックスの使用例
-- 通常のインデックス
CREATE INDEX idx_user_name ON users(name);
-- ユニークインデックス
CREATE UNIQUE INDEX idx_email_unique ON users(email);
5. クエリの最適化
5.1 非効率なクエリ例
SELECT * FROM orders WHERE YEAR(order_date) = 2023;
問題点: YEAR(order_date)
の計算が全件に適用され、インデックスが効かない。
5.2 最適化後のクエリ
SELECT * FROM orders WHERE order_date BETWEEN '2023-01-01' AND '2023-12-31';
改善点: BETWEEN
を使用することで、インデックスが有効に活用される。
6. 実行計画の分析
SQLの実行計画を分析することで、どのようにデータが処理されているかを把握できます。
6.1 実行計画の取得
EXPLAIN SELECT * FROM users WHERE email = '[email protected]';
6.2 実行計画の見方
カラム名 | 説明 |
---|---|
id | クエリのステップ番号 |
select_type | クエリの種類(SIMPLE, SUBQUERYなど) |
table | 参照されるテーブル名 |
type | 参照方法(ALL, INDEX, RANGE, REFなど) |
key | 使用されるインデックス |
rows | 予測される行数 |
7. まとめ
- SQLチューニングの基本 を理解し、インデックスや最適なクエリの書き方を学ぶ。
- 実行計画を分析 し、ボトルネックを特定する。
- パフォーマンス向上のためのテクニック(インデックス、パーティショニング、マテリアライズドビューなど)を活用する。
このガイドを参考に、SQLの最適化を進めてみてください!