【データベース】2WaySQL(ツーウェイエスキューエル) - j-komatsu/myCheatSheet GitHub Wiki
2WaySQL(ツーウェイエスキューエル)は、SQL文をそのままデータベースツールで実行できると同時に、アプリケーション内でも利用できる形式のSQLです。
これにより、SQLの再利用性が向上し、開発効率が高まります。
2WaySQLは、通常のSQL文に特定のコメントを加えることで、アプリケーションとデータベースツールの両方で同じSQLを利用できるようにする手法です。
これにより、SQLのテストやデバッグが容易になります。
SELECT * FROM EMPLOYEE
WHERE EMPLOYEE_ID = /*employeeId*/1
ORDER BY EMPLOYEE_ID;
このSQLでは、/*employeeId*/
がパラメータを示しています。データベースツールで直接実行する場合、/*employeeId*/1
のようにデフォルト値を設定しておくことで、そのまま実行可能です。
- 再利用性:一度作成したSQLを、ツールとアプリケーションの両方で利用できます。
- 保守性:SQLの修正が一箇所で済むため、保守が容易です。
2WaySQLでは、SQLコメントを利用して動的な制御を行います。主な構文は以下のとおりです。
-
バインドパラメータ:
/*parameter*/
の形式で記述します。 -
条件分岐:
/*IF 条件*/ ... /*END*/
で囲みます。 -
繰り返し:
/*BEGIN*/ ... /*END*/
を使用します。
SELECT * FROM EMPLOYEE
WHERE 1=1
/*IF employeeId != null */
AND EMPLOYEE_ID = /*employeeId*/1
/*END*/
/*IF departmentId != null */
AND DEPARTMENT_ID = /*departmentId*/10
/*END*/
ORDER BY EMPLOYEE_ID;
このSQLでは、employeeId
やdepartmentId
がnullでない場合にのみ、対応する条件が追加されます。
以下に、2WaySQLの処理フローをMermaid.jsで示します。
graph TD;
A[SQLテンプレート] --> B{パラメータの有無};
B -->|あり| C[条件に応じたSQL生成];
B -->|なし| D[固定SQLの実行];
C --> E[動的SQLの実行];
D --> E;
特徴 | 説明 |
---|---|
再利用性 | 同じSQLをツールとアプリケーションで共有可能。 |
保守性 | 修正箇所が一箇所に集約され、管理が容易。 |
柔軟性 | 条件分岐や繰り返しを用いた動的なSQL生成が可能。 |
可読性 | SQLコメントを利用するため、非エンジニアでも理解しやすい。 |
以下に、Javaアプリケーションで2WaySQLを利用する際のコード例を示します。
String sql = "SELECT * FROM EMPLOYEE WHERE 1=1 "
+ "/*IF employeeId != null */ AND EMPLOYEE_ID = /*employeeId*/1 /*END*/ "
+ "/*IF departmentId != null */ AND DEPARTMENT_ID = /*departmentId*/10 /*END*/ "
+ "ORDER BY EMPLOYEE_ID";
Map<String, Object> params = new HashMap<>();
params.put("employeeId", 123);
params.put("departmentId", null);
List<Employee> employees = jdbcTemplate.query(sql, params, new EmployeeRowMapper());
このコードでは、employeeId
が123、departmentId
がnullの場合、departmentId
に関する条件はSQLに含まれません。
2WaySQLは、Seasar2のS2Dao
などの軽量ORマッパーと親和性が高いです。
SQLファイルを外部に持ち、XMLや注釈でメソッドにバインドする形で利用されます。
public interface EmployeeDao {
List<Employee> findByCondition(Integer employeeId, Integer departmentId);
}
SELECT * FROM EMPLOYEE
WHERE 1=1
/*IF employeeId != null */
AND EMPLOYEE_ID = /*employeeId*/1
/*END*/
/*IF departmentId != null */
AND DEPARTMENT_ID = /*departmentId*/10
/*END*/
ORDER BY EMPLOYEE_ID;
このように、SQLはファイルとして管理され、DAOインターフェースとの命名規則によりマッピングされます。
2WaySQLは、SQLの再利用性と保守性を向上させる強力な手法です。
適切に活用することで、開発効率とコード品質の向上が期待できます。