【アーキテクチャ】アーキテクチャの種類 - j-komatsu/myCheatSheet GitHub Wiki
ソフトウェア開発において、アーキテクチャはシステム全体の設計や構造を指します。
適切なアーキテクチャを選択することで、開発効率やシステムの保守性が向上します。
以下に、主要なアーキテクチャの種類とその特徴を表を用いて比較します。
アーキテクチャ種類 | 概要 | メリット | デメリット | 代表的な適用例 |
---|---|---|---|---|
モノリシックアーキテクチャ | すべての機能が一つのプログラムとして構築 | ・開発とデプロイがシンプル・パフォーマンス最適化が容易 | ・スケーラビリティの制限・部分的な更新が困難 | 小規模なWebアプリ、社内ツール |
レイヤードアーキテクチャ | アプリケーションを複数の層に分ける | ・モジュール性が高い・テストが容易 | ・レイヤー間の依存性が高まる可能性 | 一般的な業務アプリ、ECサイト |
マイクロサービスアーキテクチャ | 機能ごとに独立したサービスで構成 | ・スケーラビリティが高い・独立した開発・デプロイが可能 | ・分散システムの管理が複雑 | 大規模なクラウドサービス、SNS |
イベント駆動アーキテクチャ | イベント(データの変化)に応じて処理を実行 | ・リアルタイム性が高い・非同期処理が可能 | ・デバッグが困難・イベントの設計が複雑 | IoTシステム、金融取引システム |
MVCアーキテクチャ | Model、View、Controllerに分ける設計 | ・役割分担が明確・UIの変更が容易 | ・複雑なアプリではスケールしにくい | Webアプリ、フロントエンド開発 |
クリーンアーキテクチャ | ビジネスロジックを中心に同心円状に設計 | ・テストしやすい・ドメイン駆動開発に適応 | ・初期設計のコストが高い | 大規模なエンタープライズアプリ |
サーバーレスアーキテクチャ | クラウドのマネージドサービスを活用し、コードのみを実行 | ・インフラ管理不要・スケーラビリティが高い | ・従量課金でコスト変動が大きい | APIバックエンド、データ処理バッチ |
JAMstackアーキテクチャ | JavaScript、API、Markupを活用するフロントエンド中心の構成 | ・パフォーマンスが高速・セキュリティが向上 | ・サーバー機能の拡張が難しい | 静的サイト、ヘッドレスCMS |
モノリシックアーキテクチャは、最も基本的な設計であり、小規模な開発には適していますが、大規模化すると管理が難しくなります。そのため、レイヤードアーキテクチャが登場し、機能ごとに分離することで保守性を向上させました。
さらに、システムのスケールや独立性を求める動きから、マイクロサービスアーキテクチャが発展し、分散化によって開発とデプロイの柔軟性が向上しました。一方で、リアルタイム性を求めるシステムでは、イベント駆動アーキテクチャが採用されることが増えています。
レイヤードアーキテクチャから派生したMVCアーキテクチャは、主にWebアプリケーションに適用され、フロントエンドとバックエンドの役割を明確にしています。その後、より柔軟で拡張性のある設計を目指して、クリーンアーキテクチャが開発されました。
クラウド技術の発展により、サーバーレスアーキテクチャが登場し、インフラの管理負担を軽減しながら、スケーラビリティを高める設計が可能となりました。また、フロントエンド開発の最適化を目的としたJAMstackアーキテクチャも広まり、特に静的サイトやヘッドレスCMSで活用されています。
これらのアーキテクチャを理解し、プロジェクトに適したものを選択しましょう。