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基礎

標高

ジオイドとは

標高とは

ジオイドから 地表面までの距離。

  • 水準測量の時代には、
    「平均海面から測って地表面が重力逆方向にどれだけ離れているか」が「標高」だった。
  • 現代では航空機による重力測定からジオイド面を算出し(国土地理院の仕事)、
    同様に地表面の位置をGNSSで測って、ジオイド高を差し引くことで求める。
    1. 航空機はGNSSで自らの位置を知りながら重力の向きと大きさを測定。
    2. 潮汐力等を差し引いて、準拠楕円体上各点の重力ベクトルが求まる。
    3. 平均海面をこの重力ベクトルと直行するように延長してジオイドとなる。

測地系

図法(投影法)- map projection

準拠楕円体

  • ベッセル楕円体 - Wikipedia
    • 欧州における測量成果から導き出した楕円体。
      ゆえに、ユーラシア大陸におけるジオイド曲線によく一致する。
    • 明治に始まる日本の測量でも長く用いられていた。
  • GRS80 - Wikipedia
    • 衛星測量を前提として定義された回転楕円体。WGS84 の前身。
  • WGS84 = 現代の事実上の標準
    • 地球を、地球重心を中心とした回転楕円体とし、
      赤道半径と曲率をそれぞれ・・・と定義。

測地系

実際に観測される経緯度から地殻変動分を差し引くやりかたのこと。

  • 地球上の各点は地殻変動により毎年1cm程度ずつ移動している。
  • このため、地図上では「同じ」であるはずの点(測地基準点など)の、
    観測される経緯度が年ごとに違うということがおこる。
  • このため、各国は法律で、実測経緯度から地殻変動分を差し引くことを定め、
    地図を毎年作り替えなければならない手間を省いている。
    この補正のしかたを「測地系」という。
  • 2023年7月現在では、日本では「日本測地系2011」というものが用いられている。

日本の測地系 | 国土地理院

基準点測量時代は・・・

  • 基準点測量時代は、経緯度原点や、水準原点を定め、
    そこを基準として測っていった水準点網・基準点網を基準に、
    目的とする点の相対的な位置を求め、その成果から、
    回転楕円体上に落とすなどして、経緯度・標高を求める、
    そのやり方のことだった。

標準化

  • ITRF - 国際地球基準座標系 - Wikipedia
    • 全球的に定義した「測地系」。
      数年に1回のペースで更新している。
      • 欧州の標準化団体 IERS がメンテしている。
      • ちなみに「日本測地系2011(JDG2011)」は、
        ITRF94 と ITRF2008 を、貼り合わせたもの。
  • EPSG
    • 測地系にとどまらず、地球楕円体の定義など、
      測地にまつわる様々な「決めごと」に通し番号を振って、
      言語や国籍が違っても話が通じやすいようにしている。
      • EPSG:4326 - 準拠楕円体「WGS 84」のこと。
      • EPSG:3857 - ウェブメルカトル図法のこと。
      • EPSG:7789 - 測地系「ITRF 2014」のこと。

CRS(座標参照系)

「経緯度」や「南北方向・東西方向にそれぞれ測ったリアルな距離」など、
2次元の数値がどこを原点にしてどういう単位で(度 or メートル 等)
測られたものなのかを示す通し番号。

IT機器では観測成果は最終的にはモニタ上のXY座標となるため、
測地系に加え単純な直交座標系への変換ルール(図法)をも加えて、
通し番号を振ったもの。