1_1_はじめに - gaj-cg/ray-mmd-docs-ja GitHub Wiki
ray-mmd はRuiさん(Githubのアカウントはray-cast)が作成した、MikuMikuDance(MMD)の拡張機能であるMikuMikuEffect(MME)用のエフェクトの一種で、Ruiさん曰く、「プロジェクトの目的は、MikuMikuDanceで物理ベースのレンダリングを作成することです。」とのことです。
従来のエフェクトは単機能の物が多く、それらを組み合わせて使用することが一般的ですが、ray-mmdではいくつかの機能(シェーダーや影、複数光源、ポストエフェクトなど)をまとめた統合型のエフェクトと言ってもいいと思います。(個人的にはレンダラーと言ってもいいと思います。)
統合型、またはその見た目(レンダリング結果)から激重なのでは?と思われるかもしれませんが、ExcellentShadowとAutoLuminanceを同時に扱えるPCであれば大丈夫かと思います。とは言え、ある程度快適に操作するにはゲーミングPCと呼ばれるようなグラフィックカードを搭載したPCの方が良いと思います。
このドキュメントでは、いくつかの章に渡ってray-mmdの使い方や機能を解説していこうと思います。しかしながら、個人で調べた物なので間違いや説明不足などがあると思います。その際には Issue や Twitter などで教えてもらえると助かります。
ray-mmdには下記のような機能があります。
- 物理ベースのマテリアル
- クリアコートマテリアル
- 布マテリアル
- 異方性鏡面反射
- 近似表面下散乱(サブサーフェス・スキャタリング)
- クック・トーランスの微小面鏡面BRDF(GGX)とバーレー拡散BRDF
- 多光源(ポイントライト、スポットライト、太陽光、アリアライト、IES)
- IESライトプロファイル(ポイントライトとスポットライト)
- ソフトシャドウ(PCF, VSM, PSSM)
- HDRリニアライティング
- ボリュームライト(ポイントライトとスポットライト。IESもサポート)
- ボリュームフォグ(キューブと球状)
- ライトシャフトエフェクト(薄明光線とかゴッドレイとか呼ばれるているもの)
- 近似大気霧と大気中の光の散乱
- グランドフォグ
- RGBTエンコードに基づくスカイボックス
- RGBTエンコードに基づくイメージベースライティング
- スクリーンスペースリフレクション(SSR)
- スクリーンスペースアンビエントオクルージョン(SSAO)
- スクリーンスペースサブサーフェススキャッタリング(SSSSS)
- DOF(Depth Of Field) ポストエフェクト
- ブルーム ポストエフェクト
- アイアダプテーション (目の適応) ポストエフェクト
- トーンマッピング ポストエフェクト(ACES-like,Reinhard,Hable,Hejl2015,NaughtyDog)
- カラーバランス ポストエフェクト
- FXAA ポストエフェクト
- SMAA ポストエフェクト
- MikuMikuDance : Ver.926(x64) (MMD本体のアンチエイリアスは使わない)
- MikuMikuEffect : Ver.037(x64)
- DirectX9とシェーダーモデル3.0対応のグラフィックカード
-
モデル:
MMDの世界では一般的に、ステージモデル、背景モデルを「ステージ」、その他キャラクターや乗り物などを「モデル」と呼んでいますが、このドキュメントではそれら全てを(広義の意味で)「モデル」と記載しています。 -
専門用語について:
専門的な用語が多く出てきますが、全てを解説するのは難しいので、適宜web検索等で調べることをお奨めします。
※「ray-mmdの機能」、「システム要件」は、ray-mmdの readme.md からの翻訳。
※ 本ドキュメントではMacBook Air (11-inch, Mid 2011 i5 1.6GHz,RAM 4GB,Intel HD Graphics 3000)にWindows7 Pro 64bit,MMD Ver.9.26(x64),MME Ver.0.37(x64)という構成で確認していましたが、2020年以降は自作PC (AMD Ryzen 5 3600,RAM 32GB, nVidia GeForce GTX 1050Ti) にWindow10 Pro 64bit,MMD Ver.9.32(x64),MME Ver.0.37(x64)という構成で確認しています。