yoshidasakurako - dominickchen/cmrd GitHub Wiki

目次

  • 5W1H
  • 反省
  • 関連動向にて参考にしたもの

5W1H

Who

企画・制作・執筆:吉田櫻子
技術サポート:チェン・ドミニク先生

Where

研究室(WiFiに接続できる環境)

When

主な使用場面: 「遠距離恋愛」をしている男女(今回の研究では、①手紙や電話、端末によるテキストメッセージを主なコミュニケーション手段としている2互いの居住地域が容易には会えない距離にある場合という2つの条件が揃った上での恋愛関係と定義させていただいた)

What(作品紹介)

作品名:心臓電話 自身の鼓動を遠方の相手に伝えることのできるデバイス。
普段意識することのない拍動を、日常的なコミュニケーションとして捉え直し、生活の一部として取り入れるのが目的。 遠方では感じられない「触れた時のぬくもり」を「心音」によって感じさせることで、遠距離恋愛における「触れられないペイン」を支援することを試みた。
Image from Gyazo

自身の鼓動を遠方の相手に伝えることのできるデバイス。
普段意識することのない拍動を、日常的なコミュニケーションとして捉え直し、生活の一部として取り入れるのが目的。

Why

  • ICCインターコミュニケーションセンターにて体験した「振動電話〜ふるえ〜」及びゼミにて触れた「心臓ピクニック」から、心音によるコミュニケーションに興味を持つ
  • 筆者が友人から長い間、遠距離恋愛の相談を受けていた。

How

1. Arduino技術習得

参考図書:Arduinoをはじめよう(マッシモ・バンジ, マイケル・シロー,2015)

  • 機器や具体的なプログラム要素の理解
  • 心音センサによる感知(LED発光ダイオードを使って確認をした。)

    使ったもの:
    <出力モジュール(心拍センサ)>
  • Grove - Ear-clip Heart Rate Sensor
    Image from Gyazo

<モーター>
* adafruit drv2605L
Image from Gyazo

<出力バイブレーション>
* Vibrating Mini Motor Disc (PRODUCT ID: 1201)
Image from Gyazo
接続・参考↓
Image from Gyazo

2. プロトタイプ作成

  • 心音センサ・振動モーターを使って鼓動が直接振動する機械を設計。 Image from Gyazo
  • 心音センサの特性上20秒ごとに1分間の心拍数が検知され、振動に伝わる仕組みになっている。
    Image from Gyazo

↑数字が20秒毎に表示されていく。

3. 外装をつくる

  • 羊毛フェルトを使い、専用のニードルで形作る。
  • フェルトの塊を作り、2〜3時間ほどかけてニードルを刺しつづける。
  • その際、機械が入るような形にするため、内側からもニードルを刺してポケットのような形を意識して作った。
  • ハート形になるように、ハートのくぼみの部分を多く刺し、形を整える。 Image from Gyazo

4.Wi-fi 環境下における設計

通常のArduinoをArduino wifiに変え、マイコンボードにシールド(センサが接続できるもの)を接続。
受け取る側(バイブが伝わる方)と伝える側(センサが接続されている方)で分け、研究室のwifi環境下にて通信ができるようにした。
Image from Gyazo Image from Gyazo

5. 完成・実験

【実験概要】 2つの部屋を用意し、それぞれ一人ずつ被験者が入る。(鼓動を伝える側と伝わる側) <セットアップ図> Image from Gyazo 実験は計3回のタームに分けて行った。
・ターム1:通常通りの通話を3分間行う
・ターム2:実際に心臓電話を触った上での通話を3分間通話を行う
・ターム3:部屋を入れ替えた上で心臓電話を触ってもらい、3分間通話を行う。
※部屋を入れ替える理由として、一方的にしか伝わらない心臓電話を両者に体験してもらうためである。
※1回のタームが終了するごとに、Room Bにある心拍センサ付属のマイコンボードを電源であるPCから外し、3秒時間をおいて接続しなおす。
※男女のカップルの被験者が集まらなかったため(1組集まったものの失敗に終わった)、今回の実験は男性同士、女性同士を対象とした予備実験的な意味合いで実験を行った。

【実験結果・フィードバック】 <接続障害に関して>

  • 1分後にフリーズしてしまい、計測不可能な事態が発生。
  • 8組の被験者のうち、5組が不安定なwi-fi接続により実験を中断・失敗している。

<実際に触ってもらって>

  • はじめは緊張したが、通話をしながら鼓動を感じると落ち着く。
  • 相手の心臓を触っているようで気持ちが悪く感じる。
  • パーソナルスペースに入り込める気がする
  • 遠距離恋愛ではなく、「普段話せない人と仲良くなる時間、壁を取り払うデバイス」というように感じた。遠距離恋愛以外にも生かせそう。
  • デバイスの安定性が気になる。

<論文フィードバック>

  • お互いが直接デバイスを持って、その人自身にしかできないことというのが遠距離に必要なことだと思う(女性)
  • 友達同士でも使ってみたい。(女性)
  • デバイスに身につけられるような設計がプラスされたら使いやすいかもと感じた。(女性)
  • 鼓動を感じる状態で電話してると緊張するので、電話をしなくても身近に存在を感じられるくらいがちょうどいいと思う。(男性)


遠距離恋愛中の女性の意見・・・・寝ながら通話することもあって、その寝る間際の数分使いたいと思いました。寝る間際は不安に包まれやすいので拍動を感じると一人じゃないことを思い出させてくれそう。

反省

【課題点】

  • 遠距離恋愛の男女を対象としている以上、今後も対象者に焦点を当てた実験を行っていくべき。
  • 機械のフリーズに関して探求を重ねる必要がある。
  • 隣接した部屋の距離から本来の目的である「遠隔通信」を目指してシステムを改良する必要がある。
  • 伝える側へのデバイスの形状や伝えている感覚も意識して設計していくべき。
  • 実験において、より多くの被験者をあつめ、傾向を探る必要があった。
  • カップルが対象でなくても、「遠距離恋愛」が前提であるという説明をつけたしておくべきだった。

【今後の展望】

  • 緊張よりも、落ち着くという意見からセラピー的な方面で応用できそう
  • 遠距離恋愛以外のシチュエーションに多用できそう (ex : 感情と言葉の一致しない悩みを抱える人、幼少期思春期の助け、遠くにいる家族や介護の場面など家族とのコミュニケーションを手助けするという意味でも展開ができそう)今回は遠距離恋愛の人が対象だったが、他の対象の可能性も出てきたので、対象の範囲を狭めず広域的に研究を進めて行く必要がある。
  • コードレスに向けた試み
  • 遠距離恋愛を支援するデバイスという方面と、心臓電話のあり方を確立するという方面との2極化が考えられる。

関連動向にて参考にしたもの

  • 心臓ピクニック
    普段感じることの無い心臓の鼓動をコミュニケーションとして外在化し、あたかも心臓を握っているかのように感じられるボックス型のデバイス。
  • 振動電話 ふるえ
    電話という離れた空間で振動を送り合うという新しいコミュニケーションのあり方が提案されている。
  • 体温ハート(2010)
    ガラパゴスケータイのiモード通信を経て相手の心音が伝わるデバイス。鼓動の早さに応じて色温度で表現し、発熱剤によって温度が変わる仕組みになっている。
  • Pillow-talk(2015)
    就寝時のカップルに向けたデバイス。使うユーザー(who)と使われる時間(where)の使うときを想定して設計されている。
  • MomenzzGLOBE(2017) 触ると相手側のデバイスが発光する、クリスタル型のオブジェ
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