TaichiIshiguro - dominickchen/cmrd GitHub Wiki
目次
- 5W1H
- 反省
5W1H
Who
石黒太一(CM R&Dゼミ1期生)
Where
・渋谷、新宿、池袋、原宿など
- ・各所のカフェ
When
- 2018年11月27日〜12月9日
- アンケート調査は同行した日の1週間後で固定
What
- Instagramのフィルター加工の有無と人間の記憶の関連
Why
- そもそも本論文を執筆した動機は、課外活動におけるメイキング映像に端を発する。その制作にあたり、過度の加工をすることを避け、ありのままの様子を撮影した結果、加工に時間をかけていた従来のそれよりも当時のことを想起できるというFBを頂いた。そこから、記録媒体(映像・写真)において、過度な加工は記憶の保存という観点で妨げになるのではないかという仮説を立てた。
- そして、私たちにとって身近な画像共有アプリケーションであるInstagramにおいて、その一機能であるフィルター加工が施された写真を多く目にし、それにより私たちの記憶が妨げられるのではないかと考え、この実験を試みた。
How
1.実証実験としての側面を極力排除しつつ、被験者と時間を過ごす。
- その日に何が起きたかという純粋な記憶の有無を図るため、実験をしているという雰囲気を出さないよう努めた。
- また、調査地に指定はしなかったものの、各地のカフェに赴き、ドリンクを注文した。(詳しくは後述)
2.実験日に撮影した写真を被験者にInstagramで投稿してもらう。
*このとき、「フィルターをかけて投稿するグループ(以下「加工済グループ」と記載する)」と「フィルターなどの画像処理を全く行わず投稿するグループ(以下「無加工グループ」と記載する) に分けて投稿を依頼した。以下は加工済グループの投稿の一例である。
3.投稿から1週間後にアンケートを行う。
・集計にはGoogleフォームを使用した。アンケートの内容は以下の通りである。 a.出向いたカフェで私が注文した飲み物を覚えているか(選択式、正答は「アイスカフェオレ」で統一した) b.調査日を通したどのような感情を抱いたか(楽しかったー楽しくなかった・悲しかったー悲しくなかった・怒ったー怒らなかったにおけるそれぞれ5段階評価) c.自分の投稿した写真を綺麗だと思うか(5段階評価) *
反省
【工夫した点】
- フェーズ1において、実験としての側面を極力なくすこと。 純粋に「覚えているか、否か」を測るために、普段通りに過ごすことに努めた。
- フェーズ2において、フィルターの強度を初期設定のままにした。 Instagramのフィルター加工は、その強度を設定できるのだが、加工済グループの条件を、普段Instagramでフィルター加工を施す度合いに合わせた。
- フェーズ3において、cの調査を当初の計画から新たに追加した。 フィルター加工により、本当にそれが写真の見栄えをよくしているのかを把握するため、そういった質問を追加した。
【できなかったこと】
*1.「記憶」を画一的に計測すること *2.感情についての記憶を計測すること *
【なぜできなかったのか】
*1.もう少し正否がはっきりと二分化されるような事象を盛り込めなかったため *2.これについても、喜怒哀楽を喚起するための事象(ef.わざと遅刻するなど)を恣意的に盛り込めなかったため *
【今後の展望】
- 前項と同じ内容だが、調査時に特徴のある事象・感情を喚起するような事象を恣意的に盛り込み、覚えているか・覚えていないかの二極化を図ることが必要だと感じる。そして、フィルター加工の功罪をさらに詳らかにすることで、目に映るものを撮ること、現前性を享受することの重要性を再確認してほしい。