築いても築いても - asamesi/mae GitHub Wiki
築いても築いても堤防が崩れたり、橋が流れたりする場合においてもまた同様である。ここにおいてか橘媛は走水の海に身を投じた。強頸や衫子は、茨田の断間に身を投じた。長※の橋や経が島に人柱の伝説があるのもみなこれだ。つまりは神に犠牲として人間を捧げるのである。この場合必ずしもその犠牲となるものは婦女とは限らない。別して人柱として選ばれたものは多く男子であった。人身御供の伝説にも時に男子がこれに当った場合もあるが、古くはかの奇稲田媛の伝説を始めとして、多く妙齢の婦女となっているという事は、一つはそれが妙齢の婦女であるところに一種劇的の感興が起るという意味もあるであろうが、一つは事実婦女に欠乏を感ずる社会人が、婦女掠奪をなした場合の多かった為であろうと解せられる。 生きた人間に対して提供せられる犠牲は生きたままの人間で、或いはこれを奴婢とし、或いはこれを妻妾とするのであるが、既に伝説化して人間社会以外に脱出し、鬼神或いは妖怪変化の類となっているものに対しては、生きたままの人間では間にあわぬ。出没自在の妖怪変化或いは鬼神の類にあっては、地上にあってその行動に甚だしい束縛を免れざる人間を伴うことが出来ぬ為である。日本カイロプラクティックドクター専門学院