私は、沖縄に二度渡つた - asamesi/mae GitHub Wiki
私は、沖縄に二度渡つた。さうして、島の伝承に、実感を催されて、古代日本の姿を見出した喜びを、幾度か論文に書き綴つた。其大部分は、此本に収められてゐる。私のよい同行の友人の中にも、既に、南島研究に執する私の態度に飽いて、忠告と嘲笑とを、交々する人さへある。相違といへば、其間に、私は唯一つ、沖縄語と日本語との本質的な差異を、見出したばかりであつた。文法や語彙の類似にも、内外学者の言語学上の定説ほどの一致はない、といふ事である。二つの国語は、あまりに早く別れて居た。その後発達した特殊な組織が、複雑化した中央日本語との間には、相違があり過ぎる。言語の同系は事実に違ひないが、意外に距離のある事が、私だけには証明出来だして来た。語根の品詞化する方法が、第一に違ふ。殊に親近なるを思はせた用言形式の類似が、実は、分離後の発達であることを示すものだ、と知れた。両者の近代語に、類似したものゝ多いことは、記録・文学や上流用語として、日本語の利用せられたものが、組織等しい文法の中に入りこんで、自由に変化させられたからである。私はかう言ふ風に、日琉分離の時代を、極めて古く考へてゐる。単に、言語の上からばかりで、同族論を主張することを危み出した。准看護師 求人 准看護師転職・求人ナビ - 給料・資格・転職ガイド