来月十日頃 - asamesi/mae GitHub Wiki

「来月十日頃ださうでございますから、大急ぎで支度にかからなければなりませんわ」  姑は眼をまるくした。が、さういふ表情ほどに驚いた様子もなく、 「それやまあ、どこへ預けるよりも安心だよ。で、お前さんは、一緒について行かないとすると、どうなるんです?」  どうなるとは、どういふことであらう? やつぱりあのことを云ふのか知ら、と、初瀬は、一つ時、考へて、 「貫太がさうなりましたら、あたくしは、また、あたくしで、なんとかいたしますわ」  と、あつさり答へた。  むろん、貫太を手放したあと、自分だけがすぐに田丸の家へはいるなどといふことは思ひもよらなかつたけれど、さうかと云つて、このまま、この家に留まる気は毛頭ない。さういふ意味を籠めたつもりであつた。  ところが、見ると、今日ほど、姑の眼が和やかに自分に注がれてゐることはないのである。 「お義母さま……」  と、つい、喉まで出かかる声を、彼女は、そつとおさへて、席を立つた。  居間の鏡の前へ、がくりと膝をついて、何気なく顔を映してみる。  ――おや、なんて怖い顔!  と、自分ながら、自分の眼つきの嶮しさにおどろく。柱の暦が視線にはいる。  暦は幾日もめくつてない。今日は土曜日のことは土曜日だが……。  起ち上つて、二十三日からの分を、一枚一枚ちぎつていく。 熊本デリヘル Club ageha(クラブアゲハ)-熊本風俗.COM