その雲雀たちは - asamesi/mae GitHub Wiki

 その雲雀たちはみんな人間の姿をしていて、お爺さんのようなの、お婆さんのようなの、又は若い人から子供までいるらしく、みんなゾロゾロと連れ出ってオシャベリ姫をすっかり取り巻いてしまいました。  オシャベリ姫を取巻いた雲雀たちは、初めはみんなだまって不思議そうにオシャベリ姫を見ていました。  けれども何もわるいことをしそうにもないので姫は安心をしまして、も一ペン尋ねて見ました。 「まあ……ここは雲雀の国なの? あたしは人間の国から来たものだけれども、帰り途がどっちへ行っていいかわからなくて困っているのよ。だれか知っているなら教えて頂戴な」  すると、その中の一番年寄りらしい身姿をした雲雀がこう云いました。 「リイチョ、リイチョ。リイチョ、リイチョ。チョ、チョ。チョン、チョン」 「まあそれは何と云うこと」 「チョングリイ、チョングリイ、チョングリイ」 「グリイチリ、グリイチリ。チリロ、チリロ」 「ちっともわからないわ」 「チリル、チリル。ルルイ、ルルイ。リイツク、リイツク、リイツク、リイツク」 「つまらないわねえ……そんな言葉じゃ……」  オシャベリ姫がこう云いますと、今度は集まっていた雲雀がみんな一時にしゃべり出しました。 「ピークイ、ピークイ。ピークイ、ピークイ。クイッチョ、クイッチョ。クイッチョ、クイッチョ。チョ、チョ。チョン、チョン。チョングリ、チョングリ。チイヤ、チイヤ。チャルイヨ、チャルイヨ。チャルイヨ、チャルイヨ」  オシャベリ姫はあんまり八釜しいのでびっくりして、 「まあ。何てやかましいんでしょう。そんなにしゃべっちゃ、私の耳が潰れてしまうよ。やめて頂戴、やめて頂戴」  と云いましたが、雲雀たちはなかなかやめません。なおもよってたかってしゃべりつづけます。 薬剤師募集サイトランキング 一般社団法人奈良県薬剤師会 - トップページ