そうするとやがて - asamesi/mae GitHub Wiki
そうするとやがてあたりが明るくなって、まだ見た事もない山や河や森や家が見えて来ると一所に、向うの雲の間から真赤なお天道様がピカピカ輝きながら出て来ました。そうしてそこいら一面に咲いている花も照らしました。 その時に気がつくと、最前の猫はどこへ行ったか、影もすがたもなくなっていました。 オシャベリ姫がボンヤリして立っていますと、間もなくうしろの森の中から二人の百姓の夫婦らしいものが出て来ましたが、だんだん近づいて見るとコハ如何に……それは人間の姿をした雲雀で、オシャベリ姫の姿を見付けるとビックリして立ち止まりました。そうして二人はオシャベリ姫を指しながら話を初めました。 「クイッチョ、クイッチョ、クイッチョ、クイッチョ」 「ピークイ、ピークイ、ピークイ、ピークイ」 これを聞くと、オシャベリ姫は不思議なことも何も忘れて、可笑しくてたまらなくなりました。 「マア……可笑しいこと。アノ……チョイト雲雀さん。ここは何という処ですか。教えて頂戴な」 と近寄って行きました。 そうすると雲雀の夫婦は慌てて逃げ出しました。 「ピーツク、ピーツク、ピーツク、ピーツク」 「ツクリイヨ、ツクリイヨ、ツクリイヨ、ツクリイヨ」 と、一生懸命に叫びながら自分の家の方へ逃げて行きますと、その声をききつけて森の中から沢山の雲雀が出て来ました。病院薬剤師求人サイト 北海道大学病院