この雑炊には - asamesi/mae GitHub Wiki

この雑炊には、薬味ねぎに刻んだものを、混合さすことなどは賢明な方法である。刻み、あるいはすりしょうがを加えることも大きな必要事項と知っておくべきである。この雑炊に対する一大注意事項は、絶対に骨と鱗とを混ぜぬ用心である。些細な骨一本混ざっただけで、もはやこの雑炊は安心して食べていられなくなるからである。  以上の他に、しゃれた雑炊は無数にある。いちいち挙げてはいられぬくらいのものである。  青菜の雑炊……青菜を琅※翡翠にして出す。生の千切りだいこん雑炊……だいこん煮込み飯に似たものの雑炊。天下のピカ一ふぐ雑炊。白魚と青菜の雑炊。若鮎の雑炊。このわたの雑炊。牛肉のカレー雑炊。ウドの雑炊。木の芽雑炊。うずらの卵、はとの卵、新筍の雑炊等、私のかつて体験した、あるいは自作したものだけでも未だ数十が挙げられる。  もう一度繰り返せば雑炊の要は、種の芳香を粥にたたえて喜ぶこと。熱いのを吹き吹き食べる安心さ。なんとなく気ばらぬくつろぎのうまさなど、今や雑炊の季節ともいいうる。 横浜市中区 歯科