2次経路の推定 - YosukeSugiura/ActiveNoiseControl GitHub Wiki
ここでは2次経路の推定法について説明する.
2次経路の推定法
2次経路モデルのフィルタ係数 を得るために2次経路の伝達特性を推定する必要がある. 2次経路の推定法には,大きく分けて以下の2つの手法がある.
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能動騒音制御を動作させる前に,予め2次経路を推定する方法.
2次経路の変動に対応できない.すなわち,誤差マイクロホンや制御スピーカの位置が変化しないと仮定する必要がある. -
能動騒音制御の動作中に2次経路を推定する.
2次経路の変動に対応できる.ただし,制御スピーカから白色騒音を出す必要があり,騒音が増加するリスクがある.
事前推定法
事前推定法は,能動騒音制御を実行する前に予め2次経路を推定する方法であり, 2次経路が固定されて変動しない場合に有効である. 例えば,機器の位置が固定されて2次経路が変化しない,ヘッドホンやイヤホンのノイズキャンセリング等で有効である. 事前推定法に分類される代表例として以下の2つの手法を説明する.
インパルス応答法
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事前推定法の中で最もシンプルな方法は,インパルス応答を測定することである. この方法では,まず制御スピーカからインパルス信号を放射する. そして2次経路を通過したインパルス信号を誤差マイクロホンで測定する. 取得した信号列はインパルス応答と呼ばれ,2次経路の伝達特性を示すフィルタ係数となる.
環境ノイズが大きい場合には,複数回インパルス応答を測定し,その平均を求めることでノイズを抑圧する. 最終的に得られたインパルス応答を2次経路モデルのフィルタ係数 として使用する.
システム同定法
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他の事前推定法としてシステム同定法がある. この方法ではまず,白色信号を制御スピーカから放射し,誤差マイクロホンで取得する. コントローラ内部では白色信号に対して2次経路モデルを施し,誤差マイクロホンで取得した信号との差を計算する. この差が仮に"0"となったとき,2次経路と2次経路モデルが完全に一致する. 実際には差の平均パワーが最小となるように2次経路モデルのフィルタ係数を更新する. NLMSアルゴリズムを用いた場合,更新式は以下のようになる.
,
ここで は白色雑音, は観測信号, はフィルタード白色雑音を指す.
更新が十分に収束したらその2次経路モデルを用いて能動騒音制御を動作させる.
オンライン推定法
2次経路のオンライン推定は重要な研究課題であり,現在でも様々な手法が開発されている[link].
...(製作中)