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能動騒音制御の種類

ここでは狭義の能動騒音制御(適応フィルタによる騒音制御法)について説明する.
能動騒音制御は,機器の構成により主に以下の3つの種類に分類される[link].

  1. フィードフォワード型能動騒音制御
  2. フィードバック型能動騒音制御
  3. ハイブリッド型能動騒音制御

フィードフォワード型

ダクト音の騒音制御 link(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjspe1986/64/5/64_5_669/_pdf) や,車内の騒音制御には,フィードフォワード型能動騒音制御 が用いられる. 上図にフィードフォワード能動騒音制御の構成を示す. 参照マイクロホンから取得した騒音(参照信号)をコントローラで加工して逆位相となる制御音を制御スピーカから放射する. 制御点に設置した 誤差マイクロホン により,消音効果を確認する. 消音が達成されていない場合,誤差マイクロホンで観測される誤差信号のパワーが最小になるよう,コントローラで調整する.

ダクトや車内は音響空間が変化するため,一次経路も時々刻々と変化する. したがって,コントローラの処理も時々刻々と調整する必要がある.コントローラ内のディジタルフィルタは,一般に Filtered-X LMSアルゴリズム [link] により更新される.

フィードバック型

高速道路のアクティブコントロール遮音壁では,フィードバック型能動騒音制御 が用いられる [link1, link2].

上図にフィードバック能動騒音制御の構成を示す. フィードフォワード型と異なり,参照マイクが存在しない. このため,フィードフォワード型よりコンパクトなシステムを構築できる. フィードバック型は誤差マイクロホンの情報のみをもとに制御音の生成を行う. フィードフォワード型と同様,コントローラの処理を時々刻々と調整する必要がある.

フィードバック型は誤差信号をもとに次に入ってくる騒音を予測して制御信号を生成する必要がある. したがって,フィードバック型は予測可能な信号である周期信号しか消音できないという特徴がある.

ハイブリッド型

フィードフォワード型とフィードバック型を組み合わせ,さらに騒音制御能力を向上させた ハイブリッド型能動騒音制御 がある [link, link]. 構成はフィードフォワード型と全く同じである.

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