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E型MOSとD型MOSは、MOSFET(モスフェット、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)の動作モードの違いによる分類です。
それぞれの特徴を分かりやすく説明します。


1. E型MOS(エンハンスメント型MOS、Enhancement-mode MOSFET)

  • 通常は電流が流れないタイプのMOSFETです。
  • ゲートにしきい値電圧(Vth)以上の電圧を加えることで、初めて電流が流れるようになります。
  • 「スイッチOFFが通常状態、電圧をかけるとONになる」イメージです。
  • 現在のデジタル回路やパワーMOSFETの主流です。

例:

  • nチャネルE型MOSの場合、ゲートに正の電圧をかけると電流が流れる。

2. D型MOS(ディプレッション型MOS、Depletion-mode MOSFET)

  • 通常から電流が流れるタイプのMOSFETです。
  • ゲートに特定の電圧を加えることで、電流を止める(または減らす)ことができます。
  • 「スイッチONが通常状態、電圧をかけるとOFFになる」イメージです。
  • 現在はあまり一般的ではありませんが、一部のアナログ回路や特殊用途で使われます。

例:

  • nチャネルD型MOSの場合、ゲートに負の電圧をかけると電流が止まる(または減少する)。

まとめ

E型MOS(エンハンスメント型) D型MOS(ディプレッション型)
通常状態 OFF(電流流れない) ON(電流流れる)
ゲート電圧 かけるとON かけるとOFF
用途 デジタル回路など主流 アナログ・特殊用途

E型MOSは「普段はOFF、電圧をかけてON」、D型MOSは「普段はON、電圧をかけてOFF」と覚えると分かりやすいです。