LaTeX Overview - KosekiLab/Wiki_public GitHub Wiki
このページは報告会や発表会の資料作成,論文投稿などで用いる文書処理ソフトウェアLaTeXについてまとめているページです。
TeXとは
本研究室では、基本的にTeX(読み方は、テフ、テックなど)という文章組版システムを用いて論文・資料作成を行います。 組版とは、文章などのレイアウトを行うなどという意味です。 TeX は Microsoft Word や一太郎などのワープロソフトとは違い、ソースファイルを作成し、コンパイル、プレビューという手順を踏みます。
TeXの利点として
- 数式の出力が非常に綺麗で、高品質な組版が可能であること
- 現存する様々なOSに移植されていること
等が挙げられます。 そのうち,LaTeXはマクロ機能を用いたTeXの拡張で最もよく使われるものです。
LaTeXのインストールの手順
TeXLive
TeXLiveは幅広いOSで使えるように開発されている世界最大のTeXの集大成です。
公式サイト https://www.tug.org/texlive/
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下記のサイトURLからインストーラ install-tl-windows.exe をダウンロード https://www.tug.org/texlive/acquire-netinstall.html
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インストーラに従ってインストール
2018年5月追記:現在はオンライン環境でもTex文書を書けます。Overleafやsharelatexが候補になるでしょう。
LaTeXの使い方
BibTeX
TeXに参考文献を挿入するときに利用するパワフルなツールです。 論文管理システムMendeleyと協調させることでMendeleyの論文リストから 自動でTeX用の参考文献ファイルを生成してくれます。
学会論文や修論・博論などはBibTeXを用いて参考文献を作成すると楽でしょう。.bibファイルはMendeleyを用いれば簡単に作成することができます。特に指定がない場合,日本語論文・英語論文のおすすめは下記です。
日本語文献の場合
\bibliographystyle{tipsj}
\bibliography{ref.bib}
英語文献の場合
\bibliographystyle{ieeetr}
\bibliography{ref.bib}
修正法
(in Japanese)をつけたかったり,学会の規定に従って微修正したいことがあるかと思います。
その場合は,.bbl
を開いて中身を本体の.tex
にコピペし,\bibliographystyle
と\bibliography
をコメントアウトしましょう。
LaTeXの古関研テンプレート
古関研では主に
- 論文形式の発表会資料
- レポート形式の報告会資料
の2つの文書が使われます。
他にも,
- 電気系輪講資料
- 電気学会関連
- IEEE関連
などがあります。
現在それらのサンプルやテンプレートをGitHub上に順次置いているところです。
https://github.com/KosekiLab/LaTeX_template
ぜひ,クローンorダウンロードして活用してください。
(注意) プリアンブル部には用いるパッケージなどを記述しますが,人によって用いるものが違うので各テンプレートにおいては最小構成のプリアンブルでテンプレートを作成しました。 足りないパッケージの宣言などは各自追加してください。(例 : \usepackage{...})
Tips
フォント埋め込み
国際会議に投稿する際は,pdfにフォントを埋め込む必要があります。
そのためには,
documentclass
の次の行に下記を記述しましょう。
\AtBeginDvi{\special{pdf:mapfile dlbase14.map}}
それでもだめな場合,Acrobatで埋め込むか,AdobePDfやPrimoPDFなどのPDFプリンタで印刷して再度PDFを生成しましょう。
txfontsの問題点
TeX Liveではなく,あべのりさんのTeXインストーラによりtex環境をインストールした場合のフォントに関する重要な問題を見つけたので共有いたします。
参考文献 PDFを生成したときtxfontsを使ったTeX文書でフォントが変わる問題の対処法メモ
これを使うと,電気学会推奨の
\usepackage[varg]{txfonts}
を使う場合,勝手にフォントがTimes New Romanに置き換えられてしまいます。
修正法は,
C:\w32tex\share\texmf-dist\dvipdfmx\config\dvipdfmx.cfg
の末尾にf txr2.map
を一行追加するだけです。
US letterサイズの原稿の作成法
ACCやCDCなどは,A4でなくLetterサイズでの投稿が求められます。
プリアンブル部に記述してもうまくいかない場合,コマンドプロンプトで下記を実行しましょう。
dvipdfmx -p letter hoge.dvi
#ps2pdf.batを使ったeps-pdf変換
Texが入っていれば十中八九このbatファイルが存在するので,
ps2pdf.bat *.eps
を実行することで任意のepsをpdfに変換可能です。ただ,こうして生成されるpdfは余白が多いため以下の手順を踏んでcropしてください。
epstopdf
以下は,FigToolsを使わず,MATLABのsaveas
で.epsを作ってしまった人や,Metafile to EPS Converterでeps画像を作ってしまった人向けです。通常はFigToolsで直でpdfを作ったり,PowerPointでpdfを出力し,pdfcropしましょう。
.epsでなく,画像を全て.pdfにして埋め込むと,コンパイルが何倍も早くなるだけでなく,出力されるpdfの容量も減少します。下記コマンドでディレクトリ内の.epsを全て.pdfに変換し,includegraphicsしましょう。 .epsから変換される.pdfのpapersizeも.epsのboundingboxになるため,mediabbによる.xbb生成との相性もよいです。
- Perlのインストール 例:strawberryperl
- コマンドプロンプトの起動
エクスプローラで変換したいフォルダに行き,ディレクトリのところに
cmd
と打ち込む。 - 変換
- カレントディレクトリ内のみ変換
コマンドプロンプトで下記を実行。
for %s in (*.eps) do epstopdf %s
- サブディレクトリも含めて変換
コマンドプロンプトで下記を実行。
for /r %s in (*.eps) do epstopdf %s
参考:Windowsでファイルの拡張子をまとめて変更する(コマンドプロンプト編)
dvipdfmxを用いる際のPDFのバージョン変更
論文提出では時々,PDFのバージョンによって上手く提出できない場合があります。 dvipdfmxはデフォルトでは1.6以降の1.Xのバージョンを指定するようですが,この場合1.4基準でコンパイルする必要があります。
AdobeProを持っている方はAdobeから変更可能ですが,じつはコンパイル時に
dvipdfmx -V 4 hoge.dvi
とすることで,バージョンを指定してコンパイルすることが可能です。
その際,埋めこむ図表がpdf1.5以降の形式だとエラーが出るので個人的(by李)にはfigureはpdfだけでなくepsでも持っておいたほうが無難かと思われます。
(La)TeXの書籍
- LaTeX2ε美文書作成入門 王道です。LaTeXを初めて扱う人が最初に読むべき本。
- LaTeX2e辞典~用法・用例逆引きリファレンス LaTeXの機能並びに色々なパッケージのコマンドリファレンス,用例集。
- LATEX2εコマンドブック LaTeXのコマンドリファレンス,マクロを組む人向けの記述もあり。パッケージのことは書いていない。
- TEXブック―コンピュータによる組版システム TeXの原典。今ではplain TeXでマクロを組む人のための本。研究室にあります。英語版はpdfが落ちている。
- 文書処理システムLATEX2ε LaTeXの原典。LaTeXの隠しコマンドについても書いてあったと思う。