18 まとめと次のステップ - HiroyukiMakita/mcp-server-tutorial GitHub Wiki

18. まとめと次のステップ

このチュートリアルでは、Model Context Protocol (MCP) の基本的な概念から始まり、実際にNode.jsとTypeScriptを用いてOpenWeatherMap APIと連携する天気情報MCPサーバー (weather-server) を構築するまでの一連の流れを体験しました。

学習したことの振り返り

  • MCPの基礎: MCPサーバー、クライアント、ツール、リソース、トランスポートといった基本要素と、そのメリットについて理解しました。
  • 開発環境構築: Node.js, npm/yarn, Git, そして外部APIキーの準備を行いました。
  • プロジェクト作成: @modelcontextprotocol/create-server を利用してMCPサーバープロジェクトの雛形を作成しました。
  • サーバー実装:
    • TypeScriptとzodを用いた型定義の重要性と実践方法。
    • axiosを使った外部APIクライアントの実装。
    • McpServerインスタンスへのツール登録方法 (server.tool())。
    • 入力バリデーション、API連携、レスポンス整形を含むツールロジックの実装。
    • 基本的なエラーハンドリング。
    • Stdioトランスポートを使ったサーバーの起動。
    • 簡単なユニットテストの導入(Vitestの例)。
  • 実行と設定:
    • サーバーのビルド (npm run build) とローカル実行。
    • mcp_settings.jsonへのサーバー登録と環境変数(APIキー)の設定。
    • MCPクライアントからのツール呼び出しによる動作確認。
  • 運用上の考慮点: セキュリティ、既存サーバーとの連携、本番デプロイ、トラブルシューティングに関する基本的な知識。

これらのステップを通じて、あなたは自身でMCPサーバーを設計し、実装するための基本的なスキルと知識を習得しました。

次のステップへ

このチュートリアルで作成した weather-server は、MCPサーバー開発の第一歩です。ここからさらに発展させるためのアイデアや、学習を深めるためのリソースをいくつか紹介します。

さらなる機能拡張のアイデア

  • 対応都市の拡充・検索機能:
    • より多くの都市に対応する。
    • 都市名の一部から候補を検索するツールを追加する。
  • 詳細な天気情報:
    • UV指数、日の出・日の入り時刻、降水確率など、より詳細な天気情報を取得・提供する。
    • OpenWeatherMap APIが提供する他のエンドポイント(例: Air Pollution API, Geocoding API)も活用してみる。
  • ユーザー設定の導入:
    • 気温の単位(摂氏/華氏)をユーザーが選択できるようにする。
    • デフォルトの都市を設定ファイルや別のMCPサーバーから読み込む。
  • リソースの提供:
    • 特定の都市の現在の天気を、ツールだけでなくリソース (例: weather://Tokyo/current) としても提供してみる。
  • 他のAPIとの連携:
    • 天気情報だけでなく、地図情報、交通情報、ニュースなど、他の種類のAPIと連携するMCPサーバーを作成してみる。
  • より高度なユニットテスト・結合テスト:
    • テストカバレッジを向上させる。
    • 実際にMCPクライアントからの呼び出しをシミュレートする結合テストを導入する。
  • コードのリファクタリング:
    • 型定義、APIクライアント、ユーティリティ関数などを適切にモジュール分割し、コードの可読性と保守性をさらに高める。
    • クラスベースでの実装なども検討する。

学習を深めるためのリソース

最後に

MCPは、AIモデルの能力を飛躍的に向上させる可能性を秘めた技術です。このチュートリアルが、あなたがMCPサーバー開発の世界に足を踏み入れ、独自の便利なツールやサービスを創造するための一助となれば幸いです。

ぜひ、様々なアイデアを試し、MCPコミュニティ(もしあれば)にも参加して、知識や成果を共有してみてください。

Happy Coding!