CS/IS-PBVRはC++で実装されており、コンフィグファイルで設定することで逐次処理版、スレッド並列処理用のOpenMP版、および、超並列処理用のMPI + OpenMP版を切り替えてビルドできる。 クライアントプログラムはC++、QtとOpenGLによって実装されている。

gitコマンドを利用して以下のようにクローンを行う。

git clone https://github.com/CCSEPBVR/CS-IS-PBVR.git
cd CS-IS-PBVR
git checkout release/vX.X.X

任意のディレクトリにクローンされたソースコードパッケージの中でCS-IS-PBVR/CS_Server/ディレクトリは以下のpbvr.conf、Makefileによってコンパイルされる。 pbvr.confファイルによりmakeを設定し、フィルタ、サーバプログラムをビルドする。 CS-IS-PBVR/CS_server/ディレクトリの構成は以下の通りである。

CS-IS-PBVR
└── CS_server
    ├── main.cpp
    ├── Makefile        - CS_server/配下のソースコードをコンパイルする
    ├── pbvr.conf       - makeの設定ファイル
    ├── pbvr.sln
    ├── pbvr.v12.suo
    ├── Common          - プロトコル、通信、共通ライブラリ
    ├── Filter          - フィルタプログラム
    ├── FunctionParser  - 数式処理ライブラリ
    ├── arch            - 各環境のコンパイラの設定ファイル
    ├── VisModule       - 可視化ライブラリKVS※1とサーバプログラムを統合したもの

※1. このKVSはクライアントプログラムでは使用されない、このKVSはサーバ上の並列可視化処理に特化した独自のバージョンである。

pbvr.confにおいて変数の入力値を変更することで、インストールする機能を指定する。
pbvr.confの変数一覧を以下に示す。

変数PBVR_MACHINEではコンパイル環境に応じてarch/ディレクトリ配下に格納されているMakeFileの設定ファイルを指定する。

1. CS-IS-PBVR/CS_server/ディレクトリ配下のpbvr.confを、各環境で使用する機能に合わせて編集する。

   gccコンパイラを使用してOpenMPにより並列化されたフィルタ、サーバプログラムをビルドする例を示す。

   PBVR_MACHINE=Makefile_machine_gcc_omp 
   PBVR_MAKE_FILTER=1
   PBVR_MAKE_SERVER=1
   PBVR_MAKE_KVSML_COMVERTER=0
   PBVR_SUPPORT_VTK=0
   

2. CS-IS-PBVR/CS_server配下で下記のコマンドでビルドを行う

   make -j 16
   

3. CS-IS-PBVR/CS_server配下で下記のように実行モジュールが作成される。
   フィルタ:Filter/pbvr_filter
   サーバ:pbvr_server

サーバプログラムは独自のKVSML形式によるボリュームデータのみ処理できるが、
KVS・VTKライブラリを使用してサーバプログラムの対応データ形式を拡張することもできる。
使用方法についてはチュートリアルに記載している。

KVS及びVTKは事前にインストールされているものとする。
インストール方法は各ライブラリリポジトリを参考にする。

• CCSEPBVR/KVS
• VTK 9.2以降

また、VTKのインストールにあたってはccmakeにおいて以下の設定を行うこと。

1. BUILD_SHARED_LIBSオプションをオンにする。
2. CMAKE_BUILD_TYPEオプションを”Release”にする。
3. CMAKE_INSTALL_PREFIXをVTKをインストールする場所に設定する。

1.以下の環境変数を設定する。

export KVS_DIR=<BASE_DIR>/KVS/install
export VTK_VERSION=n.n 
export VTK_LIB_PATH=/usr/local/lib 
export VTK_INCLUDE_PATH=/usr/local/include/vtk-n.n 
export DYLD_LIBRARY_PATH=/usr/local/lib:$DYLD_LIBRARY_PATH

ここで、n.nには使用するVTKのバージョンを入力し、PATHはVTKライブラリのインストール環境に合わせて書き換えること。

2.KVS/kvs.confのKVS_SUPPORT_EXTENDED_FILE_FORMATを1に設定してKVSをビルド・インストールする。
3.CS-IS-PBVR/CS_server配下で下記のコマンドでビルドを行う

make -j 16

4.CS-IS-PBVR/CS_server配下に下記のように実行モジュールが作成される。
サーバー：pbvr_server

VTK用のフィルタのビルドにはVTK6.0以上が必要である。 VTKライブラリのインストールについてはVTKウェブサイトを参照すること。 また、インストールにあたってはCMake-guiにおいて以下の設定を行うこと。

1. BUILD_SHARED_LIBSオプションをオンにする。
2. CMAKE_BUILD_TYPEオプションを”Release”にする。
3. CMAKE_INSTALL_PREFIXをVTKをインストールする場所に設定する。

VTK用フィルタに必要な設定を以下に示す。

export VTK_VERSION=n.n 
export VTK_LIB_PATH=/usr/local/lib 
export VTK_INCLUDE_PATH=/usr/local/include/vtk-n.n 

ここで、n.nには使用するVTKのバージョンを入力し、PATHはVTKライブラリのインストール環境に合わせて書き換えること。

KVS及びVTKは事前にインストールされているものとする。
インストール方法は各ライブラリリポジトリを参考にする。

• CCSEPBVR/KVS
• VTK 9.2以降

また、VTKのインストールにあたってはccmakeにおいて以下の設定を行うこと。

1. BUILD_SHARED_LIBSオプションをオンにする。
2. CMAKE_BUILD_TYPEオプションを”Release”にする。
3. CMAKE_INSTALL_PREFIXをVTKをインストールする場所に設定する。

1.以下の環境変数を設定する。

export KVS_DIR=<BASE_DIR>/KVS/install
export VTK_VERSION=n.n 
export VTK_LIB_PATH=/usr/local/lib 
export VTK_INCLUDE_PATH=/usr/local/include/vtk-n.n 
export DYLD_LIBRARY_PATH=/usr/local/lib:$DYLD_LIBRARY_PATH

ここで、n.nには使用するVTKのバージョンを入力し、PATHはVTKライブラリのインストール環境に合わせて書き換えること。

2.CS-IS-PBVR/CS_Server/pbvr.confのPBVR_MAKE_KVSML_COMVERTERを1に設定する。
3.CS-IS-PBVR/CS_server配下で下記のコマンドでビルドを行うとサーバ・フィルタと一緒にビルドされる。

make -j 16

4.以下の場所に実行モジュールが作成される。
CS-IS-PBVR/CS_server/KVSMLConverter/Example/Release/kvsml-converter

クライアントプログラムは可視化ライブラリKVSと統合開発環境Qt Creatorを利用してビルドする。

本クライアントは、オリジナルのKVSを改良した独自バージョンのKVSを利用してビルドする。

• KVSライブラリのインストール
  ターミナルから以下のコマンドを実行しQTPBVR用KVSライブラリをクローンする。

  git clone https://github.com/TO0603/KVS.git
  cd KVS
  git checkout main
  

  KVS/kvs.confを以下の通りに編集する。

  #=============================================================================
  #  KVS enable/support flags
  #  $Id: kvs.conf 1525 2013-04-11 02:58:08Z [email protected] $
  #=============================================================================
  KVS_ENABLE_OPENGL                = 1
  KVS_ENABLE_GLU                   = 1
  KVS_ENABLE_GLEW                  = 0
  KVS_ENABLE_OPENMP                = 0
  KVS_ENABLE_DEPRECATED            = 0
  
  KVS_SUPPORT_CUDA                 = 0
  KVS_SUPPORT_GLUT                 = 1
  KVS_SUPPORT_GLFW                 = 0
  KVS_SUPPORT_FFMPEG               = 0
  KVS_SUPPORT_OPENCV               = 0
  KVS_SUPPORT_QT                   = 1
  KVS_SUPPORT_OPENXR               = 0
  KVS_SUPPORT_PYTHON               = 0
  KVS_SUPPORT_MPI                  = 0
  KVS_SUPPORT_EGL                  = 0
  KVS_SUPPORT_OSMESA               = 0
  KVS_SUPPORT_EXTENDED_FILE_FORMAT = 0 
  

  編集後、「~/.zshrc」に以下のコマンドを追記する。

  export KVS_DIR=<BASE_DIR>/KVS/install
  

  追記後、以下のコマンドを実行しインストールを行う。

  source ~/.zshrc
  make -j 16
  ~~ビルドが完了するのを待つ~~
  make install
  

• QTPBVRのビルド

1. CS-IS-PBVR/QTPBVR/ディレクトリ配下のQTPBVR.proをQtCreatorで開く。
   開いた際に「有効な設定が見つかりません」と表示された場合は、「OK」ボタンをクリックする。 プロジェクトの設定画面で「Qt 6.2.4 for macOS」のキットにチェックを入れ、「Configure Project」のボタンをクリックする。

2. ビルド設定をReleaseに切り替える。

3. 下にスクロールし、環境変数KVS_DIRが設定されていることを確認する。もし設定されていない場合は手動で設定する。

4. 編集からqtpbvr.confの設定を確認します。.fbx、 .3dsフォーマットを読み込ませる場合はPBVR_SUPPORT_FBX、 PBVR_SUPPORT_3DSを1にし、FBXSDK、 Assimpライブラリのinclude、libディレクトリのフルパスを入力する。

5. プロジェクトを右クリックし、「qmakeの実行」をクリックする。

6. qmake完了後、プロジェクトを右クリックし、「ビルド」をクリックする。

7. ビルド完了後、画面左下の再生マークまたはCtrl+RでQTPBVRの実行ができることを確認する。