grf - 41semicolon/41semicolon.github.io GitHub Wiki
各種知見
1. 不定方程式をユークリッド互除法で解く
17X + 7Y = 1 を整数の範囲で解く。対応するユークリッド互除法は (17, 7) -> (7, 3) -> (3, 1) である。まず、17X + 7Y を 7(2X+Y) + 3X に変形し W := 2X+Y とする。これはユークリッド互除法を 1ステップ進めたことに相当する。つまり、17X+7Y -> 7W+3X。あとは以下同様。 3(X+2W) + W と変形でき Z := X+2W とすると、最終的に 3Z + W = 1 となる。 よって、整数 Z をパラメータとして W, X, Y を表現すると、 W = 1 - 3Z、X = Z - 2W = 7Z-2、Y = W-2X = -17Z+5。よって一般解は (X, Y) = (7, -17)Z + (-2, 5), ただし Z は整数 となる。
2. 円卓に大皿を並べたい
円卓に6つの皿が置ける場所がある。全ての場所に、3種類の料理のどれかを置く。円卓を回転させたときに同じ配置になるのは同じ並べ方とみなすとき、何種類の並べ方があるか?置換群 {ι, σ, σ2, ..., σ5} を考える。それぞれの元である置換の下で「料理の配置を不変に保つ皿の並べかたは何通りか?」を考える。ιの場合は、全ての並べ方がOKなので、3^6=729。σの場合は全ての皿が同じ料理でないとダメなので 3通りしかない。σ2の場合は(1,3,5)の3個の場所には同じ料理でないといけなくて(2,4,6)の3個の場所には同じ料理でないといけないなので、3^2=9通り。以下略。こうしてできたものを全部足して群の要素数6で割ると答えになる。(729+3+9+27+9+3)/6=130通り
群
Gが群だと言われたら: 二つの前提を確認しよう「1. 要素は何か? 2. 演算は何か?」そして、本当に群であるかを軽くチェックしよう「1. 結合法則は成立するか? 2.単位元は誰だ? 3. 全員に逆元はいるか?」。慣れ親しむために以下をやってみよう「1. 逆演算の作成 2. 部分群を探す」。
部分群HでGを色分け: g,g'∈G に対して gH (Hの各要素にgを演算した集合) などを考える。gH と g'H という二つの集合は完全に一致するか、もしくは完全に共通部分を持たない(gH=gH' or gH∩gH'=φ)。こうしてできる互いに異なる集合にそれぞれ(H1, H2, ...) と名前を付けよう。何をしたかというと、G という集合を {H1, H2, ....} という互いに交わらない集合に分割した、というわけ。H1 などの集合を剰余類と呼ぶ。
剰余群という概念: 部分群H から作られた {H1, H2,... } という集合 G/H は「Hがある条件を満たす」場合に、群になる。つまり、G/H の要素は H1,H2,...、また、G/H の演算は Gの演算を「拡張」したものとなる(演算を拡張する際に前述の(Hが満たすある条件)が使われる)。
群の具体例 置換群: まず置換とは、σ:X→X な全単射な関数である(ことを確認し納得せよ)。置換の個数は X の個数を nとすると、n!個ある。置換の集合(個数: n!)は群になる。この場合群における演算とは関数合成という操作になる(μ,νという元に対して μ・ν とは、「νという置換の後にμという置換を行う」という置換に対応させる)。単位元は恒等置換で、逆元の存在は自明、結合法則が成立することもよいだろう。
群の具体例 自然数と加算: 自然数全体 N と足し算 + は群となる。単位元は0, x の逆元は -x, 結合法則も成立。H = {0, ±3, ±6, ...} が部分群であることは自明。 N/H は三つの要素からなる(3で割った余りが 0 の集合、1の集合、2 の集合)。それらをC(0), C(1), C(2) と名前を付けると、N/H 上での演算例として、C(2) + C(2) = C(1) などを定義することができる。
環
Aが環だと言われたら: A には加法と乗法が定義されているはずなので、その内容をしっかり頭に入れよう。その際、加法に対応して 0、乗法に対応して 1 があるはずなので、それが何かを改めて確認しよう。(A, +)が可換群であることを確かめたり、加法と乗法に分配則が成立することを確かめて環であることを味わおう。
整域・ユークリッド整域・体: この順に環を具体化(一般化の逆)する。整域は、直観的な意味で0以外に、掛け算をして0になる要素が存在しない環のこと。体は、直観的な意味で 0以外の要素での除算や逆数という概念が自然に定義できる環のこと。ユークリッド整域は、任意の要素を商と余りで表現できるような環。ユークリッド整域では最大公約元や拡張されたユークリッドの互除法、素元分解やその一意性など色々議論できる。
イデアルと商環: 群論において 「G の正規部分群を見つけると、剰余群を作れる」といったのと同じような意味で、「環A のイデアルB を見つけると、商環が作れる」という意味で、イデアルは重要。つまり (A, +, ×) という環から、(A/B, +, ×)という環(商環)を作ることができる。商環における +,× が自然に定義できるのは、これらの演算と同値関係 ~B が両立するから。
商環と体: 実に強力な定理があって「A/(p) は体である。ただし A はユークリッド整域、p は素元、(p) は素元の全ての倍元からなるイデアル」。例えば Z/(p) は体。A[X]/(f(X)) は体(ある体を係数とする多項式A において既約多項式 f(X) から作ったイデアルから作られる商環は体である)。
体
Kが体だと言われたら: 色んな演算ができることを確かめよう。対象となる集合、それに対する加法・乗法・0・1、差・除算・剰余算あたりをすらすらできるようにしてから先に進もう。
有理式体(体から体を作る1): 体K を係数に持つ多項式環 K[X] に似たように、(多項式ではなく多項式同士が分母・分子に来るような)有理式の集合を作ることができる。この集合に適切に加法・乗法を定義できれば体になる。そしてそれは「自然に」できる、つまり我々が使っているように通分したり、分母を揃えて二つの有理式をくっつける等でよい、ということ。
拡大体(体から体を作る2): 体C の中に 体B があるんだけど、 B に含まれないC の要素を Bにくっつけて、少しだけ大きい体を作ることができる。例として Q に √2 をくっつけた Q(√2)を作れる。実はこれは商環 Q[X] /(X2 - 2) と同型である。ここで X2 - 2 は(Qの範囲では)既約多項式であり、その根が√2である。この商環をQ[√2]ともかける(X = √2 を代入することと、X2 -2 = 0 と置くことは同じ)。つまり、Q(√2) ≅ Q[√2]とスッキリかける)。
有限体F
1 を何回か足すと 0 になる: 要素数が有限なので、1を何回か足していくと 0に戻ることが示せる。1 を何回足すと 0 になるだろうか?を表す整数値を標数と呼ぶ。標数は素数であることが示される。
何乗かすると元に戻る: F の任意の要素 a は何乗かすると(自分自身を何回か掛けると)もとに戻る。何乗すると元に戻るか?の数を aの位数と呼ぶ。要素によって位数は異なる。また、有限体F の要素数の事も F の位数と呼ぶので紛らわしいので注意。F の位お数を q とすると、その元の位数の最大値は q-1 になって、まさにその位数となる元のことを原始根という。どんな有限体にも原始根はあって、原始根α を使うと、F の要素を {0, 1, α, α2, α3, ... α(q-2)} と簡単に列挙できる。
有限体の構成法: 有限体を作る方法は簡単。任意の体 K を用意する。すると、多項式環 K[X]、および既約多項式 f(X) を定めることができる(f(X) の候補はいくつもあるが、n 次のものを選択しよう)。(f(X))は、K[X] のイデアルになるので商環 K[X]/(f(X)) は体になるんだけど、この商環こそが、有限体になる。この有限体の位数は p^n となる。原始根は f(X)=0 の解で、加法・乗法もK での加法・乗法をそのまま使えるので構成できた!となる。